イレッサ (ゲフィチニブ)
iressa / ZD 1839 / gefitinib


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イレッサ錠250は、2002年7月、認可されました。

効能・効果:手術不能又は再発非小細胞肺癌

  1. 本剤の化学療法未治療例における有効性及び安全性は確立していない。
  2. 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

緊急安全性情報 2002.10.26 アストラゼネカ社記者発表

厚生労働省への報告症例(10月15日発表)(死亡例13例を含む26例の間質性肺炎、急性肺障害)。

これに加えて、医療機関より報告のあった副作用が計125例に増え、死亡例は39例となった。

注)朝日新聞(2002年10月27日)によると、2002年10月15日時点で、副作用69人(死者27人)を把握していた。


緊急安全性情報 2002.10.16

イレッサ錠250(ゲフィチニブ)による急性肺障害、間質性肺炎について

 本年7月16日の発売以降10月11日まで(推定使用患者数およそ7000人以上)に本剤との関連性を否定できない間質性肺炎を含む肺障害が22例(うち本剤との関連性を否定できない死亡例が11例)報告されています。これらの症例の中には服用開始後早期(7日未満:5例、7〜14日:7例)に症状が発現し、急速に進行する症例がみられました。(アストラゼネカ株式会社)

 厚生労働省によると肺障害患者が26人(うち13人死亡)。(厚生労働省の記者会見)


  • 米国臨床腫瘍学会 2002年
    • 進行非小細胞肺癌患者に対するZD1839('Iressa')の第2相試験の最終結果(IDEAL 1)
    • プラチナとドセタキセルを含んだ化学療法が無効であった、進行非小細胞肺癌患者に対するZD1839('Iressa')の第2相試験(IDEAL 2)
  • 現在の臨床試験 2000年

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米国臨床腫瘍学会 2002年5月18日―21日 オーランド、米国

ASCO抄録 2002年21巻  


#1188

進行非小細胞肺癌患者に対するZD1839('Iressa')の第2相試験の最終結果(IDEAL 1)

M.Fukuoka 大阪、日本

ZD1839('Iressa')は経口で有効な、選択的EGFR―TK1(上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ抑制薬)であり、癌細胞増殖と生存を催す信号変換経路を阻害しする。IDEAL 1は大規模二重盲検、第2相試験である。1種類か2種類の化学療法治療計画(少なくとも1種類のプラチナ製剤での治療)で無効であった非小細胞肺癌患者におけるZD1839の客観的な腫瘍有効率(RR)や安全性を評価する。更に、疾患抑制率(DCR:有効+不変)、無進行生存(PFS)、全体生存(OS)を評価した。

210人(男/女、70/30%、全身状態PS、0/1/2、18/69/13%、局所進行/遠隔転移、19.5/80.5%)を250mgか500mgの経口ZD1839に無作為に振り分けた。

1種類と2種類の化学療法治療計画を受けた患者は各々56%と44%が脱落した。208人は有効性を評価できた。2種類の投与法でRR,DCR,PFS,OS(表)で差はなかった。注目すべきは、腫瘍有効率(RR)はZD1839が2種類目の治療計画(17.9%)や3種類目の治療計画(19.8%)でも同程度だった。副作用は通常軽く、最多は程度が1/2度の発疹、下痢、そうよう症、乾燥皮膚である。250mg/dayZD1839では、薬物関連の程度がCTC3/4度の患者が少数あり(8.7%、すべて3度)、一部は投薬中止(1.9%)した。500mg/dayでは各々30.2%、9.4%であった。

つまり、250mg/dayZD1839は500mg/dayと同様に有効で、副作用は頻度が低く軽症であった。以前にプラチナを基本とした治療を受けた進行非小細胞癌患者では、経口ZD1839、250mg/dayでは副作用も多くなく臨床的に有意な抗腫瘍効果を示す。

250mg/day 500mg/day
RR(%) 18.4 19.0
DCR(%) 54.4  51.4
PFS(months) 2.7 2.8
OS(months) 7.6 8.1


#1166

プラチナとドセタキセルを含んだ化学療法が無効であった、進行非小細胞肺癌患者に対するZD1839('Iressa')の第2相試験(IDEAL 2)
M.G.Kris ニューヨーク、米国

ZD1839('Iressa')は経口で、選択的な、上皮細胞増殖因子受容体チロシンキナーゼ抑制薬であり、癌細胞増殖と生存を催す信号変換経路を阻害する。IDEAL 2は、無作為、二重盲検、第2相試験で、腫瘍有効性、腫瘍関連症状有効性、経口ZD1839(250mg対500mg)の安全性を検討する。

患者は局所進行か遠隔転移のある非小細胞肺癌で、2種類かそれ以上のプラチナ製剤とドセタキセルを含んだ化学療法治療計画を同時か異時的に行われ、無効であった。

216人が治療された(中間年齢が61歳、男/女、57/43%、全身状態PS、0/1/2、15/64/19%、局所進行/遠隔転移、11/89%)。102人が250mg、114人が500mgのZD1839投与された。2種類の化学療法治療計画を受けた患者は41%が脱落し、3種類は33%、4種類以上では25%が脱落した。

250mg対500mgZD1839の腫瘍有効率は各々11.8%(95%CI 6.2%-19.7%)、8.8%(95%CI 4.3%-15.5%)であった。腫瘍有効期間は3から7ヶ月以上であった。250mgか500mgZD1839で各々31%と27%は不変であった。250mgでは症状有効率は43%、500mgでは35%であり、有効期間は1から7.4ヶ月以上であった。症状の改善を経験した患者の約60%は治療の2週間目であった。中間生存期間は250mgか500mgZD1839で各々6.1%(95%CI 4.8%-7.7%)、6.0%(95%CI 4.3%-7.2%)であった。薬関連の副作用の多くは軽く、可逆的で1/2度の下痢、発疹であった。薬物関連の3/4度の副作用は250mg/dayと500mg/dayでは各々わずか6.9%と17.5%であった。

今回の治療を多く受けた患者において、250mgか500mgZD1839は臨床的に有意な抗腫瘍効果があり、慢性治療が受容可能であった。

翻訳 2002年7月 秋葉直志 




現在の臨床試験 2000年12月14日

NCIの許可を得て翻訳した情報。 


イレッサ(iressa:ZD 1839)に関する早期臨床研究からの情報が1999年と2000年に2つの科学的癌学会で示発表されました。以前に治療経験のある数人の肺癌患者が、イレッサを投与されて腫物縮小を示したことが初期の研究で認められました。次の段階は、より多くの患者さんを含む臨床試験を行い、肺癌の標準治療法に対するイレッサの検査をすることです。

現在、iressaは、どの国においても使用可能ではありません。臨床研究を通じてのみ使用可能です。(重要:訳者注:臨床研究も終了し認可を申請中です。使用可能になる時期は不明です。)

翻訳 2002年2月 秋葉直志


参考:

癌と化学療法 28(5):608-613、2001

チロシンキナーゼ阻害剤は、近年注目される癌分子標的治療剤である。その理由は、EGFRチロシンキナーゼ阻害剤であるZD1839、およびBCR-Ablのチロシンキナーゼ阻害剤であるSTI-571がそれぞれ非小細胞肺癌、および慢性骨髄性白血病に対して、抗腫瘍効果を早期臨床試験において示したからである。分子標的治療薬については、その臨床開発の前段階において様々な推測がなされた。「癌細胞の増殖を阻止するだけであって殺細胞効果は認められないか、極めて弱いので、腫瘍縮小は臨床的に期待できない」、また「その生理活性が抗腫瘍効果としても発現されるまでには長時間を要する」と考えられた。しかしながら、ZD1839は固形癌のなかでも最も抗癌剤の効きにくい腫瘍と考えられる非小細胞肺癌に、しかもシスプラチンを含む併用化学療法による前治療のある非小細胞肺癌に有効性を示した。その腫瘍縮小効果の発現時期は通常の抗癌剤で経験する時期とほぼ同じであり、発現してからの効果持続時間は長い印象を与えている。