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エルロチニブ(タルセバ)についての解説


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上皮成長因子受容体(EGFR:epidermal growth factor receptor)は非小細胞肺癌や他の悪性腫瘍の増殖に関与している。これを目標にした分子標的治療薬の開発が行われており、ゲフィチニブ(イレッサ)は2002年7月に非小細胞肺癌に対する治療薬として、世界に先駆けて日本で承認され使用されている.

エルロチニブ(タルセバ)も上皮成長因子を目標に開発された分子標的治療薬である.米国臨床腫瘍学会(ASCO:American Society of Clinical Oncology)に、2004年6月に3つの報告があった.今後注目される可能性があると考える。

1.VB/W期の非小細胞肺癌に対する第3相試験で、偽薬に対してエルロチニブ(タルセバ)の有効性を示した(#7022).(Frances A. Shepherd、Princes Margaret Hospital)
2.UB/W期の非小細胞肺癌に対する第3相試験で、ゲムシタビン(gemcitabine)とシスプラチン(cisplatin)にエルロチニブ(タルセバ)を追加投与しても、生存期間や症状悪化の遅れは示せなかった(#7010).(Ulrich Getzemeier、Hospital Grosshansdorf)
3.UB/W期の非小細胞肺癌に対する第3相試験で、カルボプラチン(carboplatin)とパクリタキセル(paclitaxel)にエルロチニブ(タルセバ)を追加投与し、非喫煙者には結果が良いようだ(#7011).(Roy S. Herbst M.D.、Anderson Cancer Center)


エルロチニブ(タルセバ)は米国のOSI社が手がけており、現在は米国ではOSI社とGenentech社、日本では中外製薬、それ以外ではRoche社が開発を進めている.
米国では2005年に、欧州では2006年に承認される見込みである.(中外製薬からの情報)


2004.6 秋葉 直志