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臨床試験結果報道価値のある臨床試験結果の要約

エルロチニブ(タルセバ)が進行肺癌の生存期間を延長します.


NCIの許可を得て翻訳した情報。 | ホーム |


記入:20046月5日

要約:エルロチニブ(Erlotinib)(タルセバ(Tarceva))は、標準化学療法の後に増殖した進行期の非小細胞肺癌の患者の生存期間を延長しました。

出典:米国臨床腫瘍学協会(ASCOAmerican Society of Clinical Oncology)年次会議、ニューオーリンズ、200465日.

背景:これまで、標準治療後に再発した進行期の非小細胞肺癌の患者は、治療の選択肢をほとんど持っていませんでした。エルロチニブ(Erlotinib)は、内服する分子標的治療薬です。そして,表皮成長因子受容体(EGFR)と呼ばれる,蛋白質によって制御された細胞信号を妨げることにより働きます. この蛋白質は、HER1とも呼ばれますが,多くの癌細胞の表面で見つけられ、癌の成長に影響を及ぼします。エルロチニブ(Erlotinib)は、米国食品医薬品局(FDA)によってまだ承認されません。

研究:研究対象は、1回か2回の化学療法後に増殖した,進行期非小細胞肺癌患者731人でした。患者は、無作為に2群に分割されました。1つの群はエルロチニブ(erlotinib)を使用し、他方の群は偽薬を使用しました。

研究の中心人物はトロントのマーガレット王女病院のフランシス・エー・シェファード(Frances A. Shepherd)医師でした。そして、カナダ臨床試験集団の国立癌研究所によって調整されました。

結果:エルロチニブ(erlotinib)を使用した患者の中央生存期間は6.7か月でした。一方,偽薬を使用した患者は4.7か月でした.1年では、エルロチニブ(erlotinib)を摂取した患者の31パーセントが生存していました。一方,偽薬を摂取した患者は22パーセントでした.癌が増殖するまでの期間もエルロチニブ(erlotinib)群では長く−2.23か月であり,偽薬群では1.84か月でした。これら結果は統計的に有意でした。

さらに、エルロチニブ(erlotinib)投与患者は、咳、息切れおよび痛みの悪化が遅くなりました.副作用は少数に経験され,発疹と下痢が最多でした。

制限:研究が始まってから, 国立癌研究所の癌療法評価計画のスコット・サックスマン(Scott Saxman)医師は、EGFR蛋白質中の変化が,この種の薬に対する効果の重要な予予測因子であるという新しい情報を示唆しました。この研究に参加した患者の組織の分析は,どのような患者が最も利益を得るかを識別するために重要になります。

解説:シェファード医師が言いました。「これは重要な研究です.なぜなら,この群の患者において、EGFRによる分子標的治療が,有意に生存期間に恩恵をもたらした最初の治療だからです.これらの患者はいまや,最小限の副作用で,生存期間を延長する選択肢をもっているのです」


2004.6版 2004.6:翻訳:秋葉 直志