手掌多汗症

東京慈恵会医科大学


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多汗症とは手のひら,足のうら,脇の下,顔などに汗の量が異常に多い状態をいいます.特に手に汗が多い場合,試験の答案用紙や書類が濡れてしまう,ハンドルが滑る、人と握手ができないなど悩みは深刻です.

汗の分泌は自律神経により調節されています.自律神経には交感神経と副交感神経がありますが,交感神経が汗の分泌を促します.手のひら,脇の下の汗は胸部の交感神経節から支配されています.この交換神経節を手術により切断することにより手や脇の下の汗を止めることができます.

手術は全身麻酔のもとで胸腔鏡というカメラを使って行います.左右の胸に数ミリのキズが二ヶ所づつできます.手術により手の汗はほぼ完全に止まります.再発はまずありません.ただし手の汗が止まることにより体のほかの部位の汗が増えます(代償性発汗といいほぼ100%起こります).特に背中や腹部,大腿部の汗が増えます.また合併症として眼瞼下垂,縮瞳が起こること(これをホルネル症候群といいます)がごくまれにあります.しかし起こった場合でも多くは一時的です.入院期間は通常3〜4日です.あらかじめ手術日を決めて入院していただきことができます.


(文責:佐藤 修二)