抗悪性腫瘍薬/化学療法/抗がん剤/抗癌剤
ドセタキセル水和物/docetaxel hydrate
タキソテール/Taxotere


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作成又は改訂年月
**2004年5月改訂(第10版)
*2004年1月改訂

日本標準商品分類番号87424

日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新) *2004年1月
国際誕生年月 199411

薬効分類名タキソイド系抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名タキソテール注

販売名コード4240405A1029 4240405A2025
承認・許可番号
承認番号 20800AMY10113
商標名 TAXOTERE Injection

薬価基準収載年月1997年6月
販売開始年月1997年6月

貯法・使用期限等

貯  法 遮光して室温保存(【取扱い上の注意】の項参照)
使用期限 外箱及びラベルに表示
規制区分
毒薬
指定医薬品

要指示医薬品

注意−医師等の処方せん・指示により使用すること

一般的名称

ドセタキセル 水和物注射剤


警告

本剤の用量規制因子(Dose Limiting Factor, DLF)は好中球減少であり、本剤の使用により重篤な骨髄抑制(主に好中球減少)、重症感染症等の重篤な副作用及び本剤との因果関係が否定できない死亡例が認められているので、緊急時に十分処置できる医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、下記の患者には投与しないなど適応患者の選択を慎重に行うこと。

(1) 重篤な骨髄抑制のある患者

(2) 感染症を合併している患者

(3) 発熱を有し感染症の疑われる患者

なお、本剤使用にあたっては添付文書を熟読のこと。

 

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1. 重篤な骨髄抑制のある患者[重症感染症等を併発し、致命的となることがある。]

2. 感染症を合併している患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]

3. 発熱を有し感染症の疑われる患者[感染症が増悪し、致命的となることがある。]

4. 本剤又はポリソルベート80含有製剤注)に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者[本剤はポリソルベート80を含有する。] 注)主なポリソルベート80含有製剤についてはインタビューフォームをご参照ください。

5. 妊婦又は妊娠している可能性のある患者[「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]


組成及び性状の表

組成:タキソテール注バイアル※1

成分

1バイアル中の分量:2mL

1バイアル中の分量:0.5mL

有効成分:ドセタキセル水和物(ドセタキセルとして)

85.35mg(80mg)

21.34mg(20mg)

添加物:ポリソルベート80

適量

適量

 

組成:添付溶解液(13%エタノール溶液)※1

成分

1バイアル中の分量:6mL

1バイアル中の分量:1.5mL

添加物:95%エタノール

764.4mg

191.1mg

※1:本剤は調製時の損失を考慮に入れ、過量充てんされている。

性状

 

pH※2

浸透圧比※3(生理食塩液に対する比)

外観

タキソテール注バイアル

3.0〜4.0

1

黄色〜黄かっ色澄明の粘稠性の液

添付溶解液

無色澄明の液

※2:本品の10w/w%水溶液について測定したとき
※3:添付溶解液で溶解後、生理食塩液250又は500mLに混和したとき


効能又は効果/用法及び用量

1. 乳癌、非小細胞肺癌、胃癌、頭頸部癌

効能又は効果毎の用法及び用量

1. 通常、成人に1日1回、ドセタキセルとして60mg/m2(体表面積)を1時間以上かけて3〜4週間間隔で点滴静注する。なお、症状により適宜増減すること。ただし、1回最高用量は70mg/m2とする。

2. 本剤の投与時には、原則として、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和し、1時間以上かけて点滴静注する。

2. *卵巣癌、食道癌

効能又は効果毎の用法及び用量

1. 通常、成人に1日1回、ドセタキセルとして70mg/m2(体表面積)を1時間以上かけて3〜4週間間隔で点滴静注する。なお、症状により適宜減ずること。

2. 本剤の投与時には、原則として、添付溶解液全量に溶解して10mg/mLの濃度とした後、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和し、1時間以上かけて点滴静注する。

用法及び用量に関する説明

*(注射液の調製法※4

本剤は調製時の損失を考慮に入れ、表に示すように過量充てんされているので、必ず下記調製法[1]に従い注射液の調製を行うこと。ただし、添付溶解液にはエタノールが含まれているので、アルコールに過敏な患者に投与する場合は、調製法[2]の方法によること。

調製法[1]

1) タキソテール注バイアルに、添付溶解液全量(80mgバイアル;約7mL、20mgバイアル;約1.8mL)を加えて澄明で均一になるまでゆっくりと泡立てないように転倒混和する(約45秒間)。溶液が均一であることを確認後、ある程度泡が消えるまで数分間放置する。この溶液(プレミックス液)は1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。

2) プレミックス液から必要量を注射筒で抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。

調製法[2]

1) タキソテール注の80mgバイアルには7mL、20mgバイアルには1.8mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液を加え、液が澄明で均一になるまで激しく振り混ぜる。
ある程度泡が消えるまでバイアルを倒立させて放置(約10分間)し、溶液が均一であることを確認する。均一でない場合は均一になるまで混和を繰り返す。この溶液(プレミックス液)は1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。

2) プレミックス液から必要量を注射筒で抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。

※4:詳しい調製法については、6頁の調製方法をご参照ください。

用法及び用量に関する説明の表

バイアル

実充てん量:80mg製剤

実充てん量:20mg製剤

タキソテール注(ドセタキセルとして)

2.36mL(94.4mg)

0.61mL(24.4mg)

添付溶解液(95%エタノール)

7.33mL(933.8mg)

1.98mL(252.3mg)

用法及び用量に関連する使用上の注意

1. 本剤の投与にあたっては、特に本剤の用量規制因子である好中球数の変動に十分留意し、投与当日の好中球数が2,000/mm3未満であれば、投与を延期すること。

2. 70mg/m2(体表面積)の用量では、60mg/m2投与時に比べ骨髄抑制が強くあらわれるので注意すること。[「4.副作用」の項 臨床検査値異常参照]


使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)

1. 骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、重症感染症等を併発するおそれがある。]

2. 間質性肺炎又は肺線維症のある患者[症状を増悪させるおそれがある。]

3. 肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。「10.その他の注意」の項(2)及び【薬物動態】の項参照]

4. 腎障害のある患者[腎障害を増悪させるおそれがある。]

5. 浮腫のある患者[浮腫を増悪させるおそれがある。]

6. 妊娠する可能性のある患者[「2.重要な基本的注意」の項(4)参照]

重要な基本的注意

1. 重篤な骨髄抑制が高頻度に起こるので、下記の点に留意すること。

(1) 投与後は頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。

(2) 特に感染症の発現に十分注意し、好中球減少、CRP上昇、発熱等の有無を確認する。発症又は増悪した場合には、直ちに適切な処置を行うこと。

2. 脳転移病巣に対する効果は確立されていないので、脳転移病巣に対しては他の治療法を考慮すること。

3. 心・循環器系に対する観察を十分に行うこと。(ときに心不全、血圧低下、不整脈、動悸等があらわれることがある。)

4. 動物実験(ラット)では、胚・胎児毒性(胚吸収・胎児死亡、発育遅延等)が認められ、催奇形性を示唆する所見も認められているので、以下の点に留意すること。

(1) 投与開始にあたっては、妊娠していないことを確認すること。

(2) 妊娠する可能性のある患者に対しては投与しないことを原則とする。やむを得ず投与する場合には、本剤が妊娠の維持、胎児の発育等に障害を与える可能性があることを十分に説明し、避妊を徹底するよう指導すること。

(3) 本剤投与中に妊娠が確認された場合又は疑われた場合には直ちに投与を中止すること。

5. 動物実験(マウス、ラット、イヌ)において精巣毒性が認められているので、生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

1. 薬剤名等

他の抗悪性腫瘍剤
放射線照射

臨床症状・措置方法

骨髄抑制等の副作用が増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を観察し、減量するか又は投与間隔を延長すること。

機序・危険因子

共に骨髄抑制作用を有する。

2. 薬剤名等

アゾール系抗真菌剤
 ミコナゾール等
エリスロマイシン、クラリスロマイシン、シクロスポリン、テルフェナジン、ミダゾラム

臨床症状・措置方法

副作用が強くあらわれることが考えられる。

機序・危険因子

これらの薬剤がP450‐CYP3A4を阻害又はドセタキセルとの競合により、ドセタキセルの代謝が阻害され、その結果としてドセタキセルの血中濃度が上昇することが考えられる。

副作用

*副作用発現状況の概要(承認時及び効能追加時)

単独投与による臨床試験において、治療関連死の疑われた症例が全投与症例996例中14例(1.4%)に認められた。これらはいずれも、本剤の投与によって白血球減少、好中球減少を認め、うち感染症が誘発され肺炎又は敗血症が死因となったものが8例、敗血症ショックと肝不全により死亡したものが1例、感染症と糖尿病の増悪により死亡したものが1例、感染症後にDICから多臓器不全に移行し死亡したものが1例、腎不全によるもの、DICの疑いがあり多臓器不全によるもの又は間質性肺炎が疑われたものが各1例であった。

*副作用

副作用は、前・後期第II相臨床試験における安全性評価症例914例で検討された。なお、副作用の内容及び頻度について、60mg/m2と70mg/m2の用量による大きな差異は認められなかった。

*臨床検査値異常

前・後期第II相臨床試験において、次の様な臨床検査値異常が認められた。70mg/m2の用量では、60mg/m2投与時に比べ骨髄抑制がさらに強くあらわれ、好中球減少、ヘモグロビン減少等の発現率が高かった。

副作用等発現状況の概要の表

*副作用:主たる副作用発現率

用量

60mg/m2※5

60mg/m2※5

70mg/m2※6

70mg/m2※6

70mg/m2※7

70mg/m2※7

副作用

全体

Grade
3−4※8

全体

Grade
3−4※8

全体

Grade
3−4※9

脱毛

77.5%
(585)

16.7%
(126)

71.8%
(79)

23.6%
(26)

93.9%
(46)

※10

食欲不振

59.9%
(452)

10.9%
(82)

50.9%
(56)

9.1%
(10)

73.5%
(36)

18.4%
(9)

全身けん怠感

53.8%
(406)

8.7%
(66)

53.6%
(59)

10.0%
(11)

89.8%
(44)

12.2%
(6)

悪心・嘔吐

47.8%
(361)

6.9%
(52)

48.2%
(53)

9.1%
(10)

悪心

36.7%
(18)

4.1%
(2)

嘔吐

16.3%
(8)

0.0%
(0)

発熱

46.0%
(347)

0.9%
(7)

45.5%
(50)

0.0%
(0)

38.8%
(19)

0.0%
(0)

下痢

22.8%
(172)

2.9%
(22)

20.9%
(23)

0.0%
(0)

40.8%
(20)

6.1%
(3)

※5:755例
※6:卵巣癌110例
※7:食道癌 49例
※8:「固形がん化学療法効果増強の判定基準」の「副作用の記載様式」による
※9:「National Cancer Institute Common Toxicity Criteria(NCI‐CTC)version2」による
※10:NCI‐CTCではGrade3‐4の評価基準がない

*臨床検査値異常:主たる臨床検査値異常発現率

検査項目

60mg/m2

70mg/m2

白血球減少:全体

97.2%(733/754)

98.1%(156/159)

白血球減少:2,000mm3未満

65.3%(492/754)

82.4%(131/159)

白血球減少:1,000mm3未満

14.7%(111/754)

28.3%(45/159)

好中球減少:全体

95.2%(711/747)

98.7%(155/157)

好中球減少:1,000mm3未満

84.6%(632/747)

89.2%(140/157)

好中球減少:500mm3未満

60.6%(453/747)

75.8%(119/157)

ヘモグロビン減少:全体

50.9%(384/754)

76.7%(122/159)

ヘモグロビン減少:8.0g/dL未満

7.7%(58/754)

18.2%(29/159)

血小板減少:全体

11.7%(88/753)

15.1%(24/159)

血小板減少:50×103μL未満

3.2%(24/753)

1.9%(3/159)

AST(GOT)上昇:全体

20.1%(151/752)

27.7%(44/159)

AST(GOT)上昇:501U以上

0.4%(3/752)

0.0%(0/159)

ALT(GPT)上昇:全体

20.2%(152/753)

23.3%(37/159)

ALT(GPT)上昇:501U以上

0.3%(2/753)

0.0%(0/159)

BUN上昇:全体

4.1%(31/754)

11.9%(19/159)

BUN上昇:61mg/dL以上

0.7%(5/754)

0.6%(1/159)

 

*臨床検査値異常:好中球数の推移(中央値)

用量

好中球数のNadir※11

Nadirまでの期間

Nadirから2,000/mm3以上に回復するまでの期間

60mg/m2

527.5/mm3

9日

8日※12

70mg/m2

400.0/mm3

8日

6日※13

※11:コース内最低値
※12:全1544コース中587コース(38.0%)でG‐CSFを使用
※13:全353コース中236コース(66.9%)でG‐CSFを使用

重大な副作用

1.*骨髄抑制(頻度上記)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少(発熱性好中球減少を含む)、ヘモグロビン減少、血小板減少等があらわれるので、血液検査を十分に行い、異常が認められた場合には、投与間隔の延長、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、本剤の投与にあたってはG‐CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。

2.ショック症状(0.1%)・アナフィラキシー様反応(0.2%)
呼吸困難、気管支痙攣、血圧低下、胸部圧迫感、発疹等のショック症状・アナフィラキシー様反応があらわれることがあるので、十分に観察を行い、関連する徴候が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3.黄疸、肝不全、肝機能障害(頻度不明))
黄疸、肝不全、AST(GOT)・ALT(GPT)・Al‐Pの著しい上昇等の重篤な肝障害があらわれることがあるので、肝機能検査の値に注意して観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

4.急性腎不全(頻度不明))
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、腎機能検査の値に注意して観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5.*間質性肺炎(0.2)、肺線維症(頻度不明))
間質性肺炎、肺線維症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

6.心不全(0.2%)
心不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

7.播種性血管内凝固症候群(DIC)(0.1%)
播種性血管内凝固症候群(DIC)があらわれることがあるので、血小板数、血清FDP値、血漿フィブリノーゲン濃度等の血液検査を適宜行うこと。症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8.*腸管穿孔(0.1)、胃腸出血(0.3)、虚血性大腸炎(頻度不明))、大腸炎(0.1)
腸管穿孔、胃腸出血、虚血性大腸炎、大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、吐血、下血、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

9.イレウス(頻度不明注))
イレウスがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10.急性呼吸促迫症候群(頻度不明))
急性呼吸促迫症候群があらわれることがあるので、呼吸障害等がみられた場合には観察を十分に行い、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.急性膵炎(頻度不明注))
急性膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

12.皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、多形紅斑(頻度不明注))
皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、多形紅斑等の水疱性・滲出性皮疹があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

13.心タンポナーデ、肺水腫、浮腫・体液貯留(頻度不明注))
心タンポナーデ、肺水腫、緊急ドレナージを要する胸水、腹水等の重篤な浮腫・体液貯留が報告されている。[「10.その他の注意」の項(1)参照]

14.心筋梗塞、静脈血栓塞栓症(頻度不明))
心筋梗塞、静脈血栓塞栓症が報告されている。

15.*感染症(1.4%)
敗血症、肺炎等の感染症が報告されている。

16.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明注)) 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、低浸透圧血症を伴う低ナトリウム血症、尿中ナトリウム排泄の持続、意識障害等の症状があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

17. その他、重篤な口内炎等の粘膜炎、血管炎、末梢神経障害、四肢の脱力感等の末梢性運動障害、Radiation Recall現象が報告されている。

重大な副作用の注意

*注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

その他の副作用

以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬・中止など適切な処置を行うこと。

消化器

50%以上
食欲不振

消化器

5〜50%未満
悪心・嘔吐、下痢、口内炎、便潜血

消化器

5%未満
腹痛、腹部膨満感、便秘、舌炎、口内乾燥等

消化器

頻度不明)
胃・十二指腸潰瘍、食道炎、しゃっくり

過敏症

5〜50%未満
アレルギー、発赤

過敏症

5%未満
そう痒感、潮紅等

皮膚

50%以上
脱毛

*皮膚

5%未満
皮疹、色素沈着、爪疾患(爪剥離、変形、変色、爪下出血、爪下血腫、爪下膿瘍等)等

皮膚

頻度不明)
皮膚剥離、手足症候群

精神・神経系

5〜50%未満
しびれ感

*精神・神経系

5%未満
頭痛、意識喪失、見当識障害、めまい、昏迷、難聴、耳鳴、味覚異常、羞明、視力異常、不眠等

精神・神経系

頻度不明)
傾眠、視覚障害(閃光、光のちらつき、暗点)

神経・筋症状

5%未満
筋肉痛、関節痛、筋力低下、脱力感、背部痛、痙攣等

肝臓

5〜50%未満
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ‐GTP・Al‐P・LDH上昇

肝臓

5%未満
総ビリルビン上昇

*腎臓

5〜50%未満
蛋白尿、K・Na・Cl・Caの異常、BUN上昇

腎臓

5%未満
クレアチニン上昇、尿糖、血尿、乏尿、頻尿等

*循環器

5%未満
血圧低下、血圧上昇、不整脈、動悸、頻脈等

呼吸器

5%未満
呼吸困難、咽頭炎、咳嗽等

呼吸器

頻度不明)
血痰

その他

50%以上
全身けん怠感

その他

5〜50%未満
発熱、浮腫、総蛋白・アルブミン・A/G比・CK(CPK)異常

*その他

5%未満
静脈炎、疼痛、胸痛、全身痛、熱感、腰痛、鼻出血、ほてり、流涙等

その他

頻度不明)
涙道閉塞、脱水

その他の副作用の注意

*承認時及び効能追加時安全性解析対象例914例。
*注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

高齢者への投与

副作用の発現に注意し、投与間隔及び投与量に留意すること。副作用があらわれた場合には、休薬、投与間隔の延長等の適切な処置を行うこと。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦又は妊娠している可能性のある患者には投与しないこと。[動物実験(ラット)で胚・胎児致死作用、胎児及び出生児の発育・発達遅延、催奇形性を示唆する所見が認められている。]

2. 授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

過量投与

本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。過量投与時に予期される主な合併症は、骨髄抑制、末梢性神経毒性及び粘膜炎である。過量投与が行われた場合には、患者を特別な設備下で管理し、バイタルサイン等を十分に監視すること。

適用上の注意

1.調製時

(1) 溶解液に溶解後は速やかに輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)に混和すること。輸液と混和した後は速やかに使用すること。

(2) 他剤との混注を行わないこと。

(3) 本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。

2.投与時

(1) 必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。

(2) 静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死をおこすことがあるので薬液が血管外に漏れないように投与すること。

その他の注意

1.外国における浮腫の発現とプレメディケーション

本剤の1回投与量を通常100mg/m2としている欧米においては、浮腫の発現率及び重篤度が高く、これをおさえるため、コルチコステロイド経口剤による前投与(プレメディケーション)が行われている。前投与としては、デキサメタゾン(16mg/日、8mg1日2回)等のコルチコステロイドを、本剤の投与前日から3日間、単独経口投与することが望ましいとされている。本剤100mg/m2を3週間間隔で点滴静脈内投与したところ、上記プレメディケーションを受けた患者では累積投与量(中央値)として818.9mg/m2以上、受けない患者では489.7mg/m2以上投与したときに浮腫の発現率が高くなるとの報告がある。なお、本剤の投与を中止すると、浮腫は徐々に軽快する。浮腫は下肢から発現し、3kg以上の体重増加を伴う全身性のものになる場合がある。急性の乏尿や低血圧を伴わないが、まれに脱水症を伴う。

2.外国での肝機能異常患者への投与

外国において、本剤100mg/m2を3週間間隔で点滴静脈内投与したところ、血中アルカリホスファターゼ高値(正常域上限の2.5倍以上)を伴うトランスアミナーゼ高値(正常域上限の1.5倍以上)患者、又は血中ビリルビン高値(正常域上限以上)患者に本剤を投与した場合、重篤な副作用の発現や副作用の増強・増悪が認められている。報告された副作用は、Grade4の好中球減少、発熱を伴う好中球減少、感染症、重篤な血小板減少、重篤な口内炎、並びに皮膚剥離を伴う皮膚症状等であり、治療関連死の危険性が増加すると警告されている。

3. 変異原性試験のうち、チャイニーズハムスターの卵巣由来培養細胞(CHO‐K1)を用いる染色体異常試験及びマウスを用いる小核試験において、いずれも陽性の結果が報告されている。

4. *国内での非小細胞肺癌に対する35mg/m2の週1回投与法(1日1回35mg/m2、1、8、15日目投与、4週毎に繰り返し)による第II相臨床試験において、間質性肺炎が48例中6例に認められた。(承認外用法・用量)


薬物動態

)本剤の承認された1回用量は60又は70mg/m2(体表面積)である。

(1)血漿中濃度1)

1)単回投与

各種固形癌患者24例にドセタキセル10〜90mg/m2を60分以上かけて単回点滴静脈内投与したとき、血漿中濃度は点滴終了後漸減した。最高血漿中濃度(Cmax)及びAUC0‐∞は投与量依存的に増加した。
NONMEM解析によるpopulation pharmacokinetic parametersを用い、60mg/m2、60分点滴静脈内投与時をシミュレーションして求めた薬物動態パラメータは以下のようであった。α1‐酸性糖蛋白(AAG)と肝機能障害がドセタキセルのクリアランス(CL)の主要な変動因子と考えられ、AST(GOT)又はALT(GPT)が60IU/L以上の患者ではクリアランスが21%減少した。

2)反復投与

各種固形癌患者6例にドセタキセル20、50及び70mg/m2を3又は4週間隔で2コースから最大4コースまで反復点滴静脈内投与したとき、初回投与時と最終回投与時の血漿中濃度の推移に差はみられず、反復投与による体内動態の変化は認められなかった。

(2)分布2)

(参考)担癌マウスにドセタキセルを単回静脈内投与したとき、肝等の広範な臓器・組織に速やかな分布が認められた。腫瘍組織における消失半減期(t1/2β)は20hr以上で他の臓器・組織に比べ長かった。

(3)代謝2〜4)

ドセタキセルは肝のモノオキシゲナーゼにより酸化を受けて代謝され、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験により、この代謝にはP450‐CYP3A4が関与しているものと考えられた。なお、主要代謝物の抗腫瘍効果はほとんど認められなかった。

(4)排泄

各種固形癌患者19例にドセタキセル10〜90mg/m2を60〜160分間かけて単回点滴静脈内投与したときの尿中排泄率を検討した結果、未変化体の48時間までの尿中排泄率はいずれも5%以下であった。
外国で14C‐ドセタキセル100mg/m2を60分間単回点滴静脈内投与した各種固形癌患者における薬物動態を検討した。投与後168時間までの尿中及び糞中排泄率はそれぞれ6.0%(n=3)及び74.1%(n=2)で、主排泄経路は糞中排泄であった。

(5)血漿蛋白結合率5)

外国で100mg/m2を60分間単回点滴静脈内投与した各種固形癌患者3例において、ドセタキセルの血漿蛋白結合率を検討したところ、点滴終了8時間までの測定において90%以上であった。

薬物動態の表

血漿中濃度:単回投与

対象

Cmax
(μg/mL)

AUC0-∞
(μg・hr/mL)

t1/2α
(min)

t1/2β
(min)

t1/2γ
(hr)

CL
(L/hr/m2)

母集団

2.0

2.9

6.3

46.4

18.8

20.4

肝機能障害時※14

2.3

3.7

7.1

47.8

20.2

16.2

※14:AST(GOT)又はALT(GPT)が60IU/L以上


臨床成績

*乳癌、非小細胞肺癌、胃癌及び頭頸部癌について本剤の単独投与による後期第II相臨床試験が60mg/m2の用量で実施され、増減量(50〜70mg/m2)の行われた症例(乳癌21例、非小細胞肺癌32例、胃癌13例、頭頸部癌10例)を含む対適格例奏効率は、乳癌48.2%(67/139)6,7)、非小細胞肺癌21.3%(32/150)8,9)、胃癌17.1%(22/129)10,11)、頭頸部癌20.6%(13/63)12)であった。卵巣癌、食道癌における本剤の単独投与による後期第II相試験は70mg/m2の用量で行われ、対適格例奏効率は、卵巣癌23.8%(15/63)13)、食道癌20.4%(10/49)14)であった。


薬効薬理

1.*抗腫瘍効果2,1521)

ドセタキセルは、in vivoにおいてマウスのMA16/C乳癌、MA13/C乳癌、MA44乳癌、Lewis肺癌、C38結腸腺癌、C51結腸腺癌、P03膵管腺癌、B16黒色腫及びL1210白血病、P388白血病に対して退縮を含む抗腫瘍作用を示した。また、ヒト乳癌株であるMC‐8‐JCK(充実腺管癌)、MC‐2‐JCK(充実腺管癌)、H‐31(乳頭腺管癌)、及びヒト非小細胞肺癌株であるLu‐99(大細胞癌)、Lu‐61(中分化扁平上皮癌)、LC‐11‐JCK(乳頭型腺癌)に対し、細胞増殖抑制効果にとどまらず、腫瘍縮小効果を示した。この他にヒト胃癌細胞株(MKN‐28、MKN‐45、KKLS)、ヒト卵巣癌株(OVCAR‐3)、ヒト食道癌株(H‐190、H‐204)等にも抗腫瘍効果が認められている。in vitroにおいてドキソルビシン耐性P388白血病細胞では部分交叉耐性を示したが、カンプトテシン耐性株及び白金製剤耐性株に対する交叉耐性は認められなかった。

2.作用機序22)

ドセタキセルはチューブリンの重合を促進し、安定な微小管を形成するとともに、その脱重合を抑制する。また、細胞内においては形態的に異常な微小管束を形成する。以上の作用により細胞の有糸分裂を停止させる。


有効成分に関する理化学的知見

一般名 : ドセタキセル 水和物(docetaxel hydrate)

化学名

(‐)‐(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)‐4‐acetoxy‐2‐benzoyloxy‐5,20‐epoxy‐1,7,10‐trihydroxy‐9‐oxotax‐11‐ene‐13‐yl (2R,3S)‐3‐tert‐butoxycarbonylamino‐2‐hydroxy‐3‐phenylpropionate trihydrate

分子式 : C43H53NO14・3H2O

分子量 : 861.93

構造式

性 状

白色の粉末である。
N,N‐ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)及びジクロロメタンにやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。


取扱い上の注意

貯 法

遮光して室温保存(包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。)

タキソテール注調製方法

本剤はドセタキセル 水和物注射剤で、最高用量は70mg/m2です。

調製法[1] 添付溶解液を使用する場合

本剤の添付溶解液にはエタノールが含まれているので、アルコールに過敏な患者には使用しないこと。投与前に必ず問診等を実施してアルコール過敏の有無を確認し、アルコールに過敏な患者へ投与する場合は、右記の方法(調製法[2])で調製すること。

1)タキソテール注と添付溶解液(20mg製剤と80mg製剤)

タキソテール注バイアル及び添付溶解液を用意する。

2)調製用のシリンジとニードル

添付溶解液を全量抜き取るには、80mg製剤には10mLシリンジと18G〜22Gニードルが、20mg製剤には2.5mL〜5mLシリンジと21G〜23Gニードルが推奨される。

3)添付溶解液の抜き取り

添付溶解液は、必ず全量(80mgバイアル;約7mL、20mgバイアル;約1.8mL)を抜き取り、タキソテール注バイアルに注入する。抜き取る時は、バイアルを倒立させ斜めにし、バイアルの肩に溜めた溶解液を抜き取るようにする。

4)プレミックス液(タキソテール注と添付溶解液の混合液)の調製

添付溶解液を注入した後、直ちにタキソテール注バイアルを澄明で均一になるまで、ゆっくりと泡立てないように転倒混和する(約45秒間)。

5)プレミックス液の内容確認

タキソテール注バイアルの混和が終わったら、溶液が澄明で均一に混和していることを確認後、ある程度泡が消えるまで数分間放置する。均一でない場合は、均一になるまで混和を繰り返す。
このプレミックス液は、1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。

6)必要量の抜き取り

タキソテール注の投与量に合わせ、必要量を注射筒で抜き取る。例えば、必要量が70mgのときには、プレミックス液を7mL抜き取る。

7)点滴用ボトルへの注入

抜き取ったプレミックス液を250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。(調製後は速やかに使用すること)

調製法[2] 添付溶解液を使用しない場合

アルコールに過敏な患者へ投与する場合は、下記の方法により調製すること。

1)タキソテール注(20mg製剤と80mg製剤)と調製用輸液

タキソテール注バイアルと調製用の生理食塩液又は5%ブドウ糖液を用意する。

2)生理食塩液又はブドウ糖液の注入

本剤は過量充てんされているため、80mgバイアルには7mL、20mgバイアルには1.8mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液を用いて溶解する。

3)プレミックス液(タキソテール注と調製用輸液の混合液)の調製

タキソテール注バイアルに生理食塩液又は5%ブドウ糖液を注入したら、直ちに激しく振り混ぜる。

4)プレミックス液の内容確認

タキソテール注バイアルの混和が終わったら、ある程度泡が消えるまでバイアルを倒立させて放置(約10分間)し、溶液が澄明で均一に混和していることを確認する。均一でない場合(例えば、ゼリー様の塊が浮遊している場合など)、均一になるまで混和を繰り返す。
このプレミックス液は、1mL中に10mgのドセタキセルを含有する。

5)必要量の抜き取り

タキソテール注の投与量に合わせ、必要量を注射筒で抜き取る。例えば、必要量が70mgのときには、プレミックス液を7mL抜き取る。

6)点滴用ボトルへの注入

抜き取ったプレミックス液を250又は500mLの生理食塩液又は5%ブドウ糖液に混和する。(調製後は速やかに使用すること)

調製時の注意事項

1) プレミックス液調製後は速やかに輸液(生理食塩液又は5%ブドウ糖液)に混和すること。輸液と混和した後は速やかに使用すること。

2) 他剤との混注を行わないこと。

3) 本剤が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。また、粘膜に付着した場合には、直ちに多量の流水で洗い流すこと。

点滴投与時の留意事項

エアー針をゴム栓に刺すとボトル内に気泡が発生することがあるので、エアー針はボトル上部に刺すこと。


承認条件

乳癌に対する本剤の臨床的有用性を確認するため、市販後調査として、本剤単独投与又は本剤と他の適当な類似薬との併用療法及び他の適当な併用療法とで比較臨床試験を行ない、その結果を報告すること。
また、非小細胞肺癌に対する本剤の臨床的有用性を確認するため、市販後調査として、本剤と他の適当な類似薬との併用療法及び他の適当な併用療法とで比較臨床試験を行ない、その結果を報告すること。


包装

タキソテール注:80mg(2mL)×1バイアル(添付溶解液付)
タキソテール注:20mg(0.5mL)×1バイアル(添付溶解液付)


主要文献及び文献請求先

主要文献

1) 田口鐵男 他:癌と化学療法, 21(12), 1997, 1994
2) Bissery, M.C., et al.:Anti‐Cancer Drugs, 6(3), 339, 1995
3) Shou, M., et al.: Pharmacogenetics, 8, 391, 1998
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5) de Valeriola, D., et al.:Proceedings of the American Association for Cancer Research, 34, 373, 1993
6) 田口鐵男 他:癌と化学療法, 21(15), 2625, 1994
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9) 大熨泰亮 他:癌と化学療法, 22(1), 59, 1995
10) 田口鐵男 他:社内資料
11) 磨伊正義 他:社内資料
12) 犬山征夫 他:社内資料
13) 勝俣範之 他:社内資料
14) *大津敦 他:社内資料
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添付文書からの情報