抗悪性腫瘍薬/化学療法/抗がん剤/抗癌剤
パクリタキセル/paclitaxel
タキソール/Taxol


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※※2001年5月改訂(第6版、効能追加等に伴う改訂)

※2001年1月改訂(第5版)

日本標準商品分類番号
87424


  5mL 16.7mL

承認番号

20900AMY00170000

薬価収載

1997年12月

1999年11月

販売開始

1997年10月

2000年4月

国際誕生

1992年12月

効能追加

2001年5月


貯  法:遮光・室温保存
使用期限:2年(使用期限の年月は外箱に記載されています。)
【取扱い上の注意】の項参照

毒薬、指定医薬品、要指示医薬品
注意-医師等の処方せん・指示により使用すること


【警告】

 本剤の骨髄抑制に起因したと考えられる死亡例(敗血症、脳出血)あるいは高度の過敏反応に起因したと考えられる死亡例が認められている。骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
 本剤による重篤な過敏症状の発現を防止するため、本剤投与前に必ず前投薬を行うこと(【用法及び用量】の項参照)。また、前投薬を実施した患者においても死亡例が報告されているので、患者の状態に十分に注意し、重篤な過敏症状が発現した場合は、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。なお、重篤な過敏症状が発現した症例には、本剤を再投与しないこと。(重大な副作用の項参照)。
 投与に際しては緊急時に十分に措置できる設備の整った医療施設及び癌化学療法に十分な経験を持つ熟達した医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、【禁忌】、【慎重投与】の項を参照して適応患者の選択に十分注意すること。
 なお、本剤使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

 禁 忌(次の患者には投与しないこと)】

(1)重篤な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症を伴い、重篤化する可能性がある。]

(2)感染症を合併している患者[骨髄抑制により、感染症を増悪させるおそれがある。]

(3)本剤又はポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤(例えばシクロスポリン注射液等)に対し過敏症の既往歴のある患者

(4)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(【使用上の注意】「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

【組成・性状】

1.組成

タキソール注は1バイアル(5, 16.7mL)中に下記の成分を含有する。

成分

1バイアル中の分量

5mL

16.7mL

有効成分

パクリタキセル

30mg

100mg

添加物

ポリオキシエチレンヒマシ油
(商品名:クレモホールEL)

2.5mL

8.35mL

無水エタノール

適量

適量

2.製剤の性状

タキソール注は、無色〜微黄色澄明の粘稠性の油液である。

 

※※【効能又は効果】 

 卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、胃癌

 

※※【用法及び用量】

1.通常、成人にはパクリタキセルとして、1日1回 210mg/m(体表面積)を3時間かけて点滴静注し、少なくとも3週間休薬する。これを1クールとして、投与を繰り返す。なお、投与量は、年齢、症状により適宜 減量する。

2.本剤投与時、500mLの5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に混和し、3時間かけて点滴静注する。なお、本剤投与時には、0.22ミクロン以下のメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。また、点滴用セット等で本剤の溶解液が接触する部分に、可塑剤として DEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含有しているものの使用を避けること。

3.本剤投与による重篤な過敏症状の発現を防止するため、本剤投与前に必ず前投薬を行うこと。前投薬としては本剤投与約12〜14時間前及び約6〜7時間前の2回、もしくは本剤投与約30分前の1回リン酸デキサメタゾンナトリウム注射液(デキサメタゾンとして20mg)を静脈内投与、本剤投与約30分前に塩酸ジフェンヒドラミン錠(塩酸ジフェンヒドラミンとして50mg)を経口投与、本剤投与約30分前に塩酸ラニチジン注射液(ラニチジンとして50mg)又は注射用ファモチジン(ファモチジンとして20mg)を静脈内投与すること。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

本剤の投与にあたっては、白血球及び好中球の変動に十分留意し、投与前の臨床検査で白血球数が4,000/mm未満又は好中球数が2,000/mm未満であれば、骨髄機能が回復するまでは投与を延期すること。投与後、白血球数が1,000/mm未満となった場合には次回の投与量を減量すること。

〈減量の目安〉

減量段階

投与量

通常投与量

210mg/m2

1段階減量

180mg/m2

2段階減量

150mg/m2

3段階減量

135mg/m2

また、重篤な末梢神経障害が発現した場合には、次回の投与量を骨髄抑制の減量の目安に従い、減量して投与することを考慮する。

 

【使用上の注意】

1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)

(1)骨髄抑制のある患者 [骨髄抑制を増悪させるおそれがある。]

(2)肝障害のある患者 [代謝機能等が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]

(3)腎障害のある患者[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]

(4)高齢者(【使用上の注意】「5.高齢者への投与」の項参照)

(5)アルコールに過敏な患者[本剤は溶剤として無水エタノールを含有するため、アルコールの中枢神経系への影響が強くあらわれるおそれがあるので、本剤を投与する場合には問診により適切かどうか判断すること。]

(6)間質性肺炎又は肺線維症のある患者 [症状を増悪させるおそれがある。]

 

2.重要な基本的注意

(1)骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。白血球及び好中球減少の最低値までの期間(中央値)はそれぞれ投与開始後 11日後、13日後にあらわれ、最低値発現日から白血球、好中球ともに7日間(中央値)で回復した。なお、白血球減少が軽度であっても著明な好中球減少を発現する症例を認めていることから、血液検査の際には、白血球分画の測定を実施すること。また、本剤の投与にあたっては G-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。

(2)重篤な過敏反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、重篤な過敏症状(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等)があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

(3)低血圧、徐脈等が起こることがあるので、本剤投与開始後1時間は頻回にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。重篤な 刺激伝導障害があらわれた場合には、適切な処置を行い、その後の本剤投与に際しては継続的に心電図のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。

(4) 関節痛及び筋肉痛が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には鎮痛剤投与等の適切な処置を行うこと。症状は一般に、投与開始後2、3日後にあらわれ、また、早期のクール(1〜3クール目)より発現する傾向にあるので、十分注意すること。

(5) 発熱が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には感染に対する管理を十分に行い、解熱剤投与等の適切な処置を行うこと。発熱は一般に、投与開始後約6〜10日後にあらわれ、また、1クール目の発現頻度が高い傾向にあるので、十分注意すること。

(6) 末梢神経障害が高頻度に起こるので、観察を十分に行い、症状(しびれ等)があらわれた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。症状は一般に、投与開始後約3〜5日後にあらわれ、また、使用が長期間にわたると発現頻度が高くなる傾向にあるので、投与は慎重に行うこと(〈用法・用量に関連する使用上の注意〉の項参照)。

(7)感染症(敗血症)、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

(8)投与初期又は比較的低用量の投与でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に十分注意すること。

(9)小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

 

3.相互作用 

 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等

臨床症状・措置方法

機序・危険因子

放射線照射
(1)胸部への放射線照射を併用した場合に、重篤な食道炎又は肺臓炎が発現したとの報告がある。併用する場合には、患者の状態に注意し、食道炎や肺陰影等が出現した場合には、本剤の投与及び放射線照射を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。 機序は不明であるが、動物試験(マウス)で本剤による放射線感受性増加が認められている。
(2)骨髄抑制等を増強することがあるので、併用する場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。 骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している。
抗悪性腫瘍剤 併用により骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。 骨髄抑制等の予想される副作用項目が重複している。

シスプラチン

(1)併用時、本剤をシスプラチンの後に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をシスプラチンの前に投与すること。

本剤をシスプラチンの後に投与した場合、パクリタキセルのクリアランスが低下し、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。

(2)併用により末梢神経障害が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。

末梢神経障害が予想される副作用として重複している。

ドキソルビシン

(1)併用時、本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、逆の順序で投与した場合より骨髄抑制が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、本剤をドキソルビシンの後に投与すること。

本剤をドキソルビシンの前に投与した場合、ドキソルビシンのクリアランスが低下し、ドキソルビシンの血中濃度が上昇する。

(2)併用により心毒性が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。

胆汁排泄の競合により、ドキソルビシン及びその代謝物であるドキソルビシノールの血中濃度が上昇する。

ビタミンA
アゾール系抗真菌剤(ミコナゾール等)
マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン等)
ステロイド系ホルモン剤(エチニルエストラジオール等)
ジヒドロピリジン系カルシウムチャンネルブロッカー(ニフェジピン等)
テルフェナジン
シクロスポリン
ベラパミル
キニジン
ミダゾラム
フェナセチン

併用により骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。併用療法を行う場合には、患者の状態を観察しながら、減量するか又は投与間隔を延長すること。

併用薬剤がP450-CYP2C8、CYP3A4等を阻害し、パクリタキセルの代謝が阻害され、パクリタキセルの血中濃度が上昇する。

※※4.副作用 

※※副作用の概要(承認時までの集計)

第II相試験の安全性解析症例1,583例について、発現した副作用(国内)並びに有害事象(外国)を国内と外国に分けて記載する。

第II相試験の安全性解析症例1,583例の内訳

3時間点滴 24時間点滴 備 考
日本 382 95例 477 副作用
(本剤との因果関係あり、あるらしい、不明の項目)
外国 651例 455例 1,106例 有害事象
(本剤との因果関係の有無にかかわらず発現した項目のうち、発現率が5%以上の項目及び5%未満でグレード3以上が発現した項目)

*:承認外用法・用量

 

※※〈国内臨床試験成績〉 

日本国内の第II相試験においては、本剤との因果関係が完全には否定できない死亡例が5例(脳出血1例、循環不全1例、腎不全・心不全1例、DIC症候群による腎不全1例、DIC症候群1例)に認められた。本剤投与による安全性評価症例477例中、主な副作用は末梢神経障害(65.1%)、関節痛(40.3%)、筋肉痛(36.3%)及び悪心・嘔吐(36.9%)、下痢(14.0%)、口内炎(12.4%)等の消化器症状であり、その他脱毛(83.6%)、発熱(42.3%)等が認められた。臨床検査値異常は白血球減少(91.8%)、好中球減少(94.5%)、ヘモグロビン減少(76.1%)、血小板減少(11.1%)等の骨髄抑制が主であり、AST(GOT)(35.6%)、ALT(GPT)(40.7%)の上昇等の肝機能検査値異常、BUN上昇(9.9%)等の腎機能検査値異常が認められた。
なお、白血球減少及び好中球減少の最低値、回復までの期間について、3時間点滴
本剤単独での成績に基づき以下に示す。

コース数*

白血球減少

最低値(/mm3)
中央値(範囲)

最低値に至るまでの日数(日)
中央値(範囲)

4,000/mm3以上に回復するまでの日数(日)**
中央値(範囲)

1,035

2,320
(300-3,930)

11(1-35)

7(1-91)

コース数*

好中球減少

最低値(/mm3)
中央値(範囲)

最低値に至るまでの日数(日)
中央値(範囲)

2,000/mm3以上に回復するまでの日数(日)**
中央値(範囲)

1,048

649
(0-1,997)

13(2-46)

7(1-72)

*  Grade0のコースを除いたコース数

** 未回復のコースを除いて集計(白血球減少:989コース、好中球減少:962コース)

 

〈海外臨床試験成績〉  

外国の第II相試験においては、本剤との因果関係が完全には否定できない死亡例が9例(敗血症7例、低血圧1例、肺炎/肺・腎機能不全1例)に認められた。本剤投与による安全性評価症例 1,106例中、主な副作用は筋肉痛・関節痛(61.4%)、末梢神経障害(59.2%)及び悪心・嘔吐(50.8%)、腹痛(39.8%)、下痢(35.7%)等の消化器症状であり、その他脱毛(88.7%)、無力症(64.0%)、発熱(33.5%)等が認められた。臨床検査値異常は白血球減少(90.3%)、好中球減少(88.7%)、ヘモグロビン減少(72.3%)、血小板減少(15.6%)等の骨髄抑制が主であり、AST(GOT)(29.7%)、ALT(GPT)(37.6%)の上昇等の肝機能検査値異常、BUN上昇(32.2%)等の腎機能検査値異常が認められた。

(1)重大な副作用

1)ショック:ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので観察を十分に行い、呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 

※※2)白血球減少等の骨髄抑制:白血球減少(90.8%)、好中球減少(90.5%)、貧血[ヘモグロビン減 少(73.5%)、ヘマトクリット値減少(21.6%)、赤血球減少(20.5%)等]、血小板減少(14.2%)、汎血球減少等があらわれることがあるので、末梢血液の観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、骨髄抑制の持続により、感染症[尿路感染(6.1%)、上気道感染(12.3%)、敗血症 (2.1%)、帯状疱疹(2.8%)、肺炎(1.3%)等]の併発が報告されている。なお、国内の3時間点滴静注による第II相試験(本剤単独)においてグレード3以上の白血球減少、好中球減少の発現率はそれぞれ 43.4%(152/350)、76.2%(266/349)であった。

※※3)末梢神経障害、麻痺:しびれ等の末梢神経障害(61.2%)、麻痺(0.4%)、片麻痺(0.1%未満)、不全麻痺があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。

※※4)心筋梗塞、うっ血性心不全、肺塞栓、血栓性静脈炎、脳卒中、肺水腫:心筋梗塞、うっ血性心全、肺塞栓(0.3%)、血栓性静脈炎(1.1%)、脳卒中(0.1%未満)、肺水腫(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。

※※5)難聴、耳鳴:難聴(0.4%)、耳鳴(0.8%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。

6)間質性肺炎、肺線維症:間質性肺炎、肺線維症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

7)腸管穿孔、消化管出血、消化管潰瘍:腸管穿孔(0.1%)、消化管出血、消化管潰瘍があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。 

8)重篤な腸炎:出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛・下痢等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9)肝機能障害、黄疸肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。

10)膵炎:膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、血清アミラーゼ値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11)急性腎不全:急性腎不全(0.3%)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、BUN、血清クレアチニン、クレアチニン・クリアランス値等に異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

12)皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群):皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。 

 

※※(2)その他の副作用            

種類\頻度

20%以上(%)又は頻度不明

5%〜20%未満

5%未満

過敏症注)

発疹(20.0%)


発赤

循環器

低血圧(20.1%)

徐脈、頻脈、期外収縮、高血圧、心電図異常、不整脈、心房細動、心室細動、心悸亢進、心肥大

消化器

悪心・嘔吐(46.6%)
下痢(
29.2%)
口内炎(
23.6%)

食欲不振
便秘
消化不良

腸管閉塞、鼓腸放屁、直腸疼痛、胃炎、嚥下障害、直腸障害、歯肉炎、腸管麻痺、腹部膨満感、舌苔、歯肉痛

肝臓

LDH上昇(43.9%)
ALT(GPT)上昇(
39.5%)
Al-P上昇(
33.6%)
AST(GOT)上昇(
31.6%)

ビリルビン上昇


腎臓

BUN上昇(20.7%)

電解質異常
クレアチニン上昇
蛋白尿

皮膚

脱毛(87.4%)
斑状丘疹性皮疹
爪変色
爪の障害

そう痒

皮膚疾患、皮膚潰瘍、表皮はく離、蕁麻疹

精神神経系


めまい
不眠

不安、うつ病、傾眠、思考異常、振戦、失神、激越、神経学的疾患、痙攣、健忘症、緊張低下、運動失調、寡動、言語障害、意識障害、緊張亢進、精神症状、譫妄、眼振、不随意運動、嗄声

感覚

暗点


味覚倒錯、視力異常、味覚喪失、眼痛、耳痛、舌異常感

呼吸器


呼吸困難


全身症状

無力症(44.8%)
腹痛(
28.6%)

頭痛
浮腫
疼痛

けん怠感

腹部腫脹、インフルエンザ様症候群、さむけ、体重増加

筋骨格

筋肉痛・関節痛(55.6%)

骨痛
背部痛

頸部痛
腰痛

その他

発熱(36.1%)
潮紅(
26.4%)
脱水

咳増加
胸痛
出血
注射部反応
末梢性浮腫

骨盤痛、発汗、排尿困難、血尿、眼疾患、口渇、不正出血、結膜炎、無月経、吃逆、尿失禁、注射部痛、尿閉、酩酊感、低血糖、高血糖

注)投与を中止すること。

 

5.高齢者への投与

高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く骨髄抑制等があらわれやすいので、用量並びに投与間隔に留意し、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うなどして注意すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与

(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で催奇形作用が報告されている。]

(2) 授乳中の婦人には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]

7.小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

8.適用上の注意

(1)調製時

1)本剤は5%ブドウ糖注射液及び生理食塩液を除く他の薬剤とは混注しないこと。

2)本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

(2)投与経路:必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。

(3)投与時

1)静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように投与すること。また、以前に同反応を発現した注射部位とは異なる部位に本剤を再投与した場合、以前の注射部位に同反応を再発するといった、いわゆる「Recall現象」が認められたとの報告がある。

2)本剤は、輸液に混和後、できるだけ速やかに投与すること。

9. その他の注意

放射線療法に関連した照射部位の皮膚異常を発現した既往のある患者に本剤を投与した場合、同部位に同様の皮膚異常を再発するといった、いわゆる「Radiation recall現象」が認められたとの報告がある。

 

【薬物動態】

1.血中濃度1)
各種悪性腫瘍患者に本剤105〜270mg/mを3時間かけて点滴静注したときの血漿中濃度は2相性の消失を示し、半減期は9.9〜16.0時間であった。AUC及びCmaxは用量依存的な増加傾向を示した。血中動態は非線形性を示し、AUC及びCmaxは投与量の増加に比例する以上の増加傾向を示した。(注)本剤の承認された用量は210mg/m2である。

 taxol-blood.gif

           パクリタキセル投与後の血漿中濃度

 

2.分布2),3)
ラットに14C標識体を単回静注した後の組織内放射能濃度は、脳、中枢神経系を除く各臓器・組織に速やかに移行し、特に、肝臓、消化管、胸腺、腎臓、唾液腺、膵臓、肺、脾臓で高値を示した。投与後 120時間後においても胸腺では比較的高濃度の放射能が検出されたが、この時点での放射能の体内残存率は1%未満であった。
ヒト血清を用いてin vitroで蛋白結合率を測定した結果、0.1〜50μg/mLの濃度範囲で88.4〜90.6%であった。

3.代 謝4)〜8)
動物(ラット、イヌ)において本剤は主として肝臓で代謝され胆汁中へ排泄された。代謝反応としては水酸化、脱アセチル化、エピ化、加水分解が確認又は推定されたが、未変化体及び代謝物の抱合体は検出されなかった。ヒトにおける主代謝物はタキサン環6位の水酸化及び3'位フェニル基の水酸化体で、これらの代謝にはP450-CYP2C8,CYP3A4等の分子種が関与していることが知られている。

4.排泄1)
各種悪性腫瘍患者に本剤105〜270mg/mを3時間かけて点滴静注したときの未変化体の尿中排泄率は、投与後 75時間までで6〜12%であった。(注)本剤の承認された用量は210mg/m2である。

 

※※【臨床成績】

日本国内における本剤単独3時間点滴静注による臨床第 II相試験は、卵巣癌患者66例、非小細胞肺癌患者122例、乳癌患者65例、胃癌患者107例を対象として実施された。また、外国での検討として本剤単独3時間点滴静注について卵巣癌患者195例、乳癌患者471例を対象として実施された。

1.国内臨床試験成績9)〜15)
日本国内における本剤単独3時間点滴静脈内投与による第 II相試験において適格例に対する奏効率は、卵巣癌26.6%(17/64)、非小細胞肺癌35.0%(42/120)、乳癌33.9%(21/62)
、胃癌23.4%(25/107)であった。

2.海外臨床試験成績16),17)
海外における本剤単独3時間点滴静脈内投与(用量 175mg/m2又は135mg/m2)による第II相試験において全症例に対する奏効率は、卵巣癌14.9%(29/195)、乳癌24.6%(116/471)であった。(注)本剤の承認された用量は210mg/m2である。

 

【薬効薬理】

※※1.抗腫瘍作用18)〜25) 
マウス可移植性ヒト卵巣癌(A2780)、非小細胞肺癌(LX-1、L2987、H2981)、乳癌(MCF-7、MX-1)
、胃癌(MKN-1、MKN-45、MKN-74、St-4)に対し、腫瘍退縮効果あるいは腫瘍増殖抑制効果が認められている。
in vitroの試験で、シスプラチン(CDDP)感受性ヒト卵巣癌培養細胞 KF1とそのCDDP耐性株 KFrbに対し、腫瘍増殖抑制効果が認められている。
また、CDDP耐性株(A2780卵巣癌)での検討において、パクリタキセルは交叉耐性を示さなかった。

2.作用機序26)〜30)
微小管蛋白重合を促進することにより微小管の安定化・過剰形成を引き起こし、紡錘体の機能を障害することにより細胞分裂を阻害して抗腫瘍活性を発揮する。
また、パクリタキセル処理培養癌細胞(HeLa細胞)を用いて染色体の動態を検討したところ、経時的に G2+M期細胞の増加と G1期細胞の減少が認められ、薬剤添加 18及び27時間後にはほとんどの細胞が G2+M期であり、4倍体の染色体を示した。この結果より、パクリタキセルは細胞周期を G2+M期でブロックすると考えられた。

 

【有効成分に関する理化学的知見】

一般名:パクリタキセル(paclitaxel)

化学名: (-)-(1S,2S,3R,4S,5R,7S,8S,10R,13S)-4,10-diacetoxy-2-benzoyloxy-5,20-epoxy-
1,7-dihydroxy-9-oxotax-11-en-13-yl (2R,3S)-3-benzoylamino-2-hydroxy-
3-phenylpropionate

化学構造式:
taxol-kozo.gif

分子式:C4751NO14
分子量: 853.92
融 点: 220〜223℃
性状:パクリタキセルは白色〜微黄白色の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、アセトニトリル、メタノール又はエタノールにやや溶けやすく、エーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

 

【取扱い上の注意】

1.本剤は輸液と混和した後、できるだけ速やかに使用すること。
2.包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
3.調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

 

【承認条件】

1.卵巣癌に対する本剤の臨床的有用性を確認するため、市販後調査として、適切な対照群との比較臨床試験又は他の適切な計画に基づいた臨床試験を行い、その結果を報告すること。

2.非小細胞肺癌及び乳癌に対する国内における本剤の併用療法時の臨床的有効性及び安全性を確認するため、国内での適切な対照群との比較臨床試験を行い、その結果を含めた市販後調査結果を報告すること。

 

【包装】

タキソール注:5mL(パクリタキセル30mg含有) 1バイアル
        16.7mL(パクリタキセル100mg含有) 1バイアル

 

【主要文献及び文献請求先】

主要文献

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文献請求先

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