論文紹介


肺腺癌に対する,ウラシルーテガフールによる術後化学療法の無作為試験 
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背景:以前の非小細胞肺癌切除後に行った術後化学療法の第3相試験により,ウラシルとテガフール(UFT)の経口により予後の延長がみられた.各群の分析で,病理病期がT期の肺腺癌に有効なことが発表された.

方法:完全切除された病理病期T期の肺腺癌患者を,ウラシルーテガフール(毎日,体表面積1m当たり250mgのテガフール)を2年間内服する群と,治療を行わない群に無作為で分けた.無作為化は,病理学的な腫瘍の類別(T1T2),性別,年齢で層別化して行った.目標は全生存期間である.

結果:19941月から19973月までで,999人の患者が参加した.20人が不適格と判定され,この分析から除外した.無作為化後,491人がウラシルーテガフール投与群で,488人を観察群とした.生存患者に対する経過観察の中間期間は73か月であった.2群間の全生存期間の差は,ウラシルーテガフール投与群が,統計的に優位に良好であった(層別対数順位検定でP0.04).ウラシルーテガフールを投与された482人のうち10人(2%)に,3等級の副作用が起きた.

結論:ウラシルーテガフールによる術後化学療法は,完全切除された病理病期T期肺腺癌患者に生存期間の延長をもたらす.

N Engl J Med 2004; 350: 1713-21 Kato H et al.


翻訳 2004.6.4 秋葉直志