医師用治療情報 小細胞肺癌


2009年2月最新版(2009年5月更新) この情報は主に医師やほかの医療従事者用です。
NCIの許可を得て翻訳した情報です。  | ホーム  |


内容一覧 一般情報
細胞分類
病期情報
治療選択概観
限局期小細胞肺癌
進展期小細胞肺癌
再発小細胞肺癌
薬剤名


一般情報

この章のいくつかの引用には証拠のレベルがついています.PDQ (Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、読者が治療戦略の報告された結果の信憑性を判断するために、公式順位分類を使用します.詳細については、証拠水準のPDQ要約を参照してください.

肺癌対する別の要約がPDQ(Physican Data Query:医師情報質問)にあります。

  • 非小細胞肺癌治療
  • 肺癌の予防
  • 肺癌の拾い上げ(スクリーニング)

統計

米国、2006年における肺癌(非小細胞と小細胞の合計)の推定新患者および死亡数は(1)

新患者 215,020人、死亡数 161,840人。

小細胞肺癌は肺癌の約15%です。治療を行わないと、米国の過去2-30年の小細胞肺癌の発生率と死亡率は減少しています(2)。治療をしないと、小細胞肺癌(small cell carcinoma of the lung)は診断後の中間生存期間がわずか2か月から4か月と、肺癌のなかで最も厳しい臨床経過を示します。小細胞肺癌は肺癌の他の細胞型に比較して、化学療法と放射線療法に強い感受性があります。しかし、診断されるまでに広範に播種する強い傾向を持っているので治癒を達成するのは困難です。小細胞肺癌は腫瘍随伴症状を最も呈します。それは不適切他抗利尿ホルモン分泌症候群(syndrome of inappropriate antidiuretic hormone secretion)、腫瘍随伴小脳失調症(paraneoplastic cerebellar degeneration)、ランバート・イートン筋無力症症候群(Lambert-Eaton myasthenic syndrome)等です(2)。

限局期疾患―小細胞癌

診断時に、小細胞癌(small cell carcinoma)患者さんの約30%の癌は、原発した片肺、縦隔、鎖骨上窩リンパ節に限局しています。これらの患者さんは、限局期疾患limited-stage (LD)と呼ばれて、再発のない2年生存者のほとんどはこの集団からでます。限局期疾患では、現在の治療で16か月から24か月の中間生存期間と5年生存率14%が見込まれます(3-6)。喫煙している小細胞肺癌の限局期疾患の患者さんは、生存率が上昇するので、集学的治療を開始する前に禁煙すべきです(7)。長期生存の改善は治療の組み合わせで起きます(6,8)(証拠レベル1iiA)。手術療法あるいは化学療法単独で長期生存を達成した患者さんが報告されていますが、胸部放射線療法を化学療法に組み合わせることが治療の標準と考えれらています(9)。胸部放射線療法を加えることにより絶対生存率が約5%、化学療法より上昇します(8,10)。化学療法に対する放射線療法の相対的時期については、複数の研究と他施設情報分析が行われ、早期放射線療法は少ない利益でした(4,11,12)(証拠レベル1iiA)。化学放射線療法に対して完全寛解した患者さんは、予防的全脳照射により中枢神経再発を予防し、生存期間を改善しました(13,14)(証拠レベル1iiA)。

進展期疾患―小細胞癌

鎖骨上窩リンパ節を越えて広がった肺癌を持つ患者さんは、進展期疾患を持つと称され、限局期疾患患者さんより予後は不良です。現在の療法によって6か月から12か月の中間生存期間が報告されており、長期無再発生存はまれです。

予後因子

長期生存を着実に予測する治療前予後因子には、よい全身状態(performance status)、女性、限局期疾患があります(15-18)。生化学的因子も生存結果に関連することがわかりました、それには血清ナトリウム、アルカリフォスファターゼ、乳酸脱水酵素があります(16,20)。

過去25年に診断と療法は著しく進歩しましたが、病期にかかわらず小細胞肺癌(small cell lung cancer)患者さんの現在の予後は満足のいくものではありません。従って、この型の癌を持つすべての患者さんは、診断を受けた時点に臨床研究への参加を考慮して良いでしょう。現在進行中の臨床研究は米国癌研究所(NCI)のウェッブサイト(ホームページ)にあります。

トップ



細胞分類

経験豊かな肺癌病理学者による病理検体の評価は、小細胞肺癌(small cell lung cancer)患者さんの治療開始にあたり常に重要です。

小細胞肺癌亜型の現在の分類(1)

  • 小細胞癌 Small cell carcinoma
  • 混合小細胞癌(つまり、新生物扁平上皮および/または腺成分を伴った小細胞肺癌)Combined small cell carcinoma (i.e., small cell lung cancer combined with neoplastic squamous and/or glandular components)

神経内分泌細胞から発生する小細胞肺癌は、神経内分泌癌の広がりの1つの極を形成します。神経内分泌腫瘍は、低悪性度である定型的カルチノイド、中悪性度である非定型カルチノイド、高悪性度である神経内分泌腫瘍を含んでおり、神経内分泌腫瘍は大細胞神経内分泌癌と小細胞肺癌を含んでいます。臨床的な振る舞いや、治療法、易学が異なることより、これらの腫瘍は世界保健機構(WHO:World Health Organization)改定版で別に分類されています。小細胞肺癌の亜型で、混合小細胞/大細胞癌は改定世界保健機構分類に残りませんでした。代わりに、小細胞肺癌は唯一の亜型、少なくとも10%の腫瘍が非小細胞肺癌関連からなる小細胞混合として記載されています。

小細胞肺癌は次の形態学的特長を持った小細胞の増殖を示します:(2)

  • 少量の細胞質
  • 境界不明瞭
  • 繊細顆粒状“塩コショウ”クロマチン
  • 欠損か目立たぬ核小体
  • 頻繁な核のつぶれ
  • 高い核分裂

混合(Combined)小細胞肺癌は小細胞と大細胞あるいは他の非小細胞部位の混合を含みます。少なくとも10%の小細胞肺癌があれば混合小細胞肺癌と診断されます。そして、小細胞肺癌は純粋な小細胞肺癌の組織にのみ使用されます。大細胞神経内分泌癌(LCNEC:large-cell neuroendocrine carcinoma)は、大細胞神経内分泌癌混合小細胞肺癌と診断されます。

診断は通常、光学顕微鏡による細胞形態により下されますが、診断が不確実なときは、追加の病理学的な評価が役に立ちます。電子顕微鏡は直径100nmの濃い芯の神経内分泌顆粒を見せてくれます(3)。ほとんど全ての小細胞肺癌はケラチン、甲状腺転写因子1(thyroid transcription factor 1)、上皮膜抗原に免疫反応します。神経内分泌と神経分化は、ドーパ脱炭酸酵素(dopa decarboxylase)、カルシトニン(calcitonin)、神経特異的エノラーゼ(neuron-specific enolase)、クロモグラニンA(chromogranin A)、CD56(nucleosomal histone kinase 1 あるいは 神経細胞癒着因子(neural-cell adhesion molecule)としても知られる)、ガストリン分泌ペプチド、インシュリン類似成長ホルモン1、の発現を呈します。1つかそれ以上の神経内分泌への分化は約75%以上に認められます(3)。

浸潤前、つまりインサイチュ(in situ)の悪性変化は非小細胞肺癌にはしばしば認められますが、小細胞肺癌ではまれです(4)。

トップ



病期情報

病期決定は、遠隔転移のある患者さんから、胸部に限局した病気の患者さんを区別するために重要です。癌の病期を決定することにより予後の評価や治療の決定ができます、特に限局期疾患(LD: Limited-stage disease)の患者さんに対する胸部の放射線療法や化学療法に外科的切除を追加することです。もし、進展期疾患(ED:Extensive-stage disease)では症状や所見に対しそれぞれの評価を行うべきです。病期の評価には以下の検査があります。

  • 徹底的な身体所見

  • 通常の血算と血清生化学検査

  • 胸部と上腹部のCT検査

  • 骨シンチ検査

  • 脳のMRI検査あるいはCT検査

  • 検査結果により変化するなら骨髄穿刺または生検

限局期疾患

限局期(limited-stage (LD))小細胞肺癌(small cell lung cancer)は、原発巣のある片側胸部、縦隔、鎖骨上窩リンパ節に限局した腫瘍を意味しており、「耐え得る」放射線療法範囲内にあります。この用語に関しては国際的に受け入れられた定義がなく、胸水があったり、大きな肺癌、対側鎖骨上窩リンパ節を持つ患者さんは治療集団により含まれたり、除外されたりします。胸水のある患者さんは限局型と進展型の中間の予後で、血行性転移をし、遠隔転移と分類したり進展期と分類されるかも知れません。

進展期疾患他の病期診断と予後因子

進展期小細胞肺癌は、鎖骨上部を超えて、上記の限局期疾患の定義内に含まれない程広がりすぎた肺癌を意味しています。遠隔転移(M1)を持つ患者さんは、常に進展期疾患を持っていると考えられます(1,3)。

他の病期診断と予後因子

PET検査の役割は検討中です。限局期または進展期の120例の最大の経験では、8%は病期が上がり、2.3%は下がりました(4)。脳転移のない患者さんに対してはPETはCTより感度と特異度が上です。限局期24例を通常に検査した患者さんは8.3%病期が上がりました(5)。疑われていなかったリンパ節転移は25%の患者さんで記載され、患者さんの放射線治療の方針が変更されました。これらの患者さんにおけるPETの感度、特異度、陰性-、陽性予測値、造影病期診断の正確さは不明です。

初期診断時、小細胞肺癌(SCLC)約3分の2の患者さんは臨床的に転移があります。残りの多くの患者さんは臨床的に肺門や縦隔、時に鎖骨上のリンパ節転移があります。外科的あるいは外科を含んだ集学的治療により治療した小細胞肺癌は、Veterans Administration Lung Study Group (VALG)による解剖学的進展度である腫瘍、リンパ節、遠隔転移を用いた病期診断を使用して限局期または進展期と分類します(5)。これによると限局期(LD)は片肺に限局し、放射線がかけうる範囲にあります。限局期は化学療法と胸部の放射線療法で治療されます。一方、進展期(ED)は化学療法だけで治療します。

世界肺癌学会International Association for the Study of Lung Cancer (IASLC)はTNM分類(6)に従ってVALG分類(5)を改定しました。世界肺癌学会分類では、限局期はTNM分類のT期からVB期であり、進展期は遠隔転移のある症例だけです。小細胞肺癌に対する、1989世界肺癌学会病期分類によると、同側あるいは対側の鎖骨上リンパ節、肺門、縦隔リンパ節転移は限局期に含まれます。小細胞肺癌に対する放射線量が増加し、すべての患者さんを同じ方法で治療するのは適当ではありません。そして、放射線領域はより正確なリンパ節転移の部位により決定されます。世界肺癌学会は肺癌に対するTNM病期分類第6版を用いて、小細胞肺癌のTNM病期分類を分析しました(3)。臨床病期TとUは、N2またはN3リンパ節転移のある臨床病期Vと有意に生存率は異なります(2)。胸水のある患者さんは限局型と進展型の中間の予後で、血行性転移をし、遠隔転移と分類したり進展期と分類されるかも知れません。これらの分類より、限局期に対する臨床研究においては、正確なTNM分類が重要であり、TNM分類による層別化が重要です(2)。

トップ



治療選択概要

注)この章のいくつかの引用には証拠水準がついています。PDQ(Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、治療戦略の報告された結果を判断するために、公式順位分類を使用します。(詳細は、PDQ要約の証拠水準を参照してください。)

化学療法は限局期limited-stage (LD)や進展期の小細胞肺癌(small cell lung cancer)患者さんに対して生存期間の延長を示しました、しかし、治癒は非常に稀です(1,2)。小細胞肺癌の患者さんは遠隔転移を起こす可能性があり、外科療法や放射線療法のような、局所療法は、長期生存をもたらすことは稀です(3)。しかし、現在の化学療法治療計画を加えることにより、無治療と比較して、中間生存期間は少なくとも4-5倍に増加します。プラチナ製剤とエトポシドの組み合わせは、標準化学療法として最も広く用いられております(4-6)(証拠rベル1iiA)。様々な化学療法剤や維持療法薬剤の、化学療法の量を増加させたり、投与法を変えることによる(例えば、交代療法や連続投与)、定常的な生存期間の延長は認められません(7-11)(証拠レベル1iiA)。

小細胞肺癌(SCLC)は放射線感受性が高く、胸部放射線療法は限局期疾患(LD)と進展期疾患(ED)において患者さんの生存期間を延長します(12-14)(証拠レベル1iiA)。予防的全脳照射(PCI)は中枢神経の再発を予防し化学療法に効果のあった患者さんの長期生存期間を改善します(15-17)(証拠レベル1iiA)。そして、しばしば症状のあった転移病変を一時的に改善します。患者さんの10%は治療開始してから、多くの再発が起きてくる時期である2年間は病気のない状態です。しかし、これらの患者さんも肺癌でなくなる危険があります(小細胞肺癌あるいは非細胞肺癌)。5年全体生存期間は5-10%です(4-6,10)。

小細胞肺癌(small cell lung cancer)においては、患者さんの多くは取り得る最良の治療にもかかわらずその癌のために亡くなります。小細胞肺癌(small cell lung cancer)の生存期間改善のほとんどは、最も入手可能で、受け入れられる療法を改善することを試みた臨床研究に起因します。そのような研究へ患者さんが参加することは非常に望ましいことです。

I現在進行中の臨床研究はNCIのホームページにあります。

トップ



限局期小細胞肺癌

注釈:この章のいくつかの引用には証拠水準がついています。PDQ (Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、読者が治療戦略の報告された結果の信憑性を判断するために、公式順位分類を使用します。(詳細については、PDQ要約の証拠水準を参照してください。)

化学療法と胸部放射線療法(TRT)の集的学治療(combined modality)は限局期( limited-stage disease (LD))小細胞肺癌(small cell lung cancer (SCLC))に対する標準治療です。集学的治療は、化学療法単独に比較して、3年で生存期間の5%の改善という有意ですが穏やかな結果をもたらしたという、前向き比較試験での長期的結果が得られました(1-4)(評価水準1iiA)。プラチナ製剤platinumとエトポシドetoposideの多剤併用療法は最も使用されている治療です。

臨床研究は一定して中間生存期間を18から24ヶ月、2年生存率が40-50%、治療関連死亡率は3%以下でした(3-7)(評価水準1iiA)。使用量を増加したり、追加の薬剤を使用したり、薬剤の使用様式を変更したり、維持化学療法により一定の生存期間の利益は得られませんでした(8-15)(評価水準1iiA)。限局期( limited-stage disease (LD))小細胞肺癌(small cell lung cancer (SCLC))適切な治療期間は明らかになっていません、しかし、3-6か月を超える治療期間で生存期間の延長は認められていません。限局期( limited-stage disease (LD))小細胞肺癌(small cell lung cancer (SCLC))に対する比較試験から優勢な証拠で、維持療法は生存期間の延長を示しません。

最適な投与量と胸部放射線療法TRTの時期については議論のあるところです、そして、胸部放射線療法の時期については、複数の臨床研究と多施設研究分析により、早期の放射線療法が言われています(つまり、胸部放射線療法は化学療法の最初か2回目の投与の間)(3-6、8-10、16-19)(証拠水準1iiA)。4つの臨床研究により、胸部放射線療法の開始から終了までの期間についても全体の生存期間に影響を与えるようです。治療を30日以内に完了することが5年生存率を改善します(相対危険率=0.62:95%CI、0.49-0.80:p=.0003)(19)(証拠水準1iiA)。

エトポシドetoposideとシスプラチンcisplatinの化学療法で1日1回と2回の胸部放射線計画が行われました。1つの比較試験で、穏やかな生存期間の延長が、5週間で1日1回の治療より、3週間の1日2回の治療で、認められました (26% vs. 16% at 5 years, P = .04).(16)(証拠水準1iiA)。1日2回の治療では食道炎が増加します。1日2回の治療は広く受け入れられていません。1日1回で60Gy以上の治療は可能で、しばしば行われています。これらの臨床研究の結果はすでに第3相臨床研究で確認されました(20)(証拠水準3iiiA)。

高齢者に対する最適な治療法は不明です。人口分析の結果、年齢を重ねると体力performance statusは低下し合併症が増加します(21)。高齢者は化学放射線併用療法や、更に強力な化学療法、予防的脳照射prophylactic cranial irradiation (PCI).はあまり行われません。高齢者はまた、治療に反応しにくく、生存期間は不良です。これは年齢と、関連した合併症または治療が十分にできない為か不明です。

限局期小細胞肺癌 LD SCLCをもった高齢者に特化した第3相臨床研究は報告されていません。しかし、70歳以上の患者さんの治療結果を評価した、3つの二次的な協同研究があります(22-24)。双方の治療研究で高齢者の治療結果は若い患者さんの結果と同じでした。高齢者は、若い患者さんに比較して、中毒効果も多く、特に血液毒性でした。エトポシドetoposideとシスプラチンcisplatinを、1日1回か2回の放射線療法で比較したINT-0096研究において、有意な治療関連死亡が増加しました (1% for patients <70 years vs. 10% for patients ?70 years; P = .01)(23)。これらの第3相試験に参加する高齢者は限局期小細胞肺癌LD SCLCの代表ではないので、これらの結果を、高齢者の一般患者さんに当てはめるのは危険かもしれません。

上大静脈症候群を呈する患者さんは、放射線療法併用または放射線療法併用なしの多剤化学療法によって治療されます(25,26)。(さらなる情報はPDQ要約の心肺症候群の治療を参照してください)

適正な肺機能があって、癌が病理学的に原発巣側の肺か、あるいは肺と同側肺門リンパ節に限局している限局期患者さんの一部は、追加化学療法併用あるいは併用なしの外科的切除から利益を得られるかもしれません(27-31)(証拠水準3iiiDii)。しかし、外科的切除を受けた患者さんの癌は非常に早期の限局期肺癌で、化学放射線療法に外科療法を追加して評価する比較試験は行われていません。

化学放射線療法に外科療法を追加して評価する比較試験は唯一の比較試験は、328人の患者さんで、限局期小細胞肺癌で、肺切除による全体生存に対する利益は認められませんでした(32)(証拠水準1iiA)。

化学療法で治療した小細胞肺癌患者さんで、胸部放射線を行っていても行なっていなくても、著効(complete remission)を達成した方は、予防的全脳照射(PCI:prophylactic cranial irradiation)投与を考慮できます。癌が脳以外で制御できている患者さんは、治療を始めて2年から3年以内に、中枢神経系に転移の起こる実質的危険が60%あります(31,33,34)。これらの患者さんの大多数は脳にだけ再発し、中枢神経系に再発した人々のほとんどすべては頭蓋内転移のために亡くなります。中枢神経系転移の危険は、予防的全脳照射で50%以上減少できます(33)。胸部で著効を示した患者さんに対する予防的全脳照射の価値を評価した7つの無作為割付試験(randomized trials)の多施設研究分析(meta-analysis)では、予防的全脳照射を追加することで、脳再発、無病生存期間、全体の生存期間の改善がみられました。予防的全脳照射で、全体の3年生存率は15%から21%まで改善しました(33)(証拠水準:1iiA)。

さかのぼり研究(Retrospective study)により、小細胞肺癌(small cell lung cancer)の長期生存者(治療開始から2年以上)は中枢神経系に問題を起こす高い可能性を持っていることが示されました(31,34-37)。しかし、前向き研究(prospective study)により、全脳照射で治療された患者さんが、治療されなかった患者さんより悪い神経心理学的機能であることはありませんでした(37)。さらに、小細胞肺癌患者さんの大多数が、頭蓋照射開始前に神経心理的異常を持っており、小細胞肺癌患者さんの大多数に頭蓋照射開始後2年までには神経学的状態の低下はみられませんでした(37)。小細胞肺癌の治療を受けている患者さんは、治療の開始から2年以後神経心理学的な機能低下をし続けます(23-25)。従って、全脳照射が知的機能低下に寄与しないと結論する前に、治療の開始からの2年以上の患者さんに対する付加的な神経心理学的検査が必要でしょう。

標準治療選択肢

  1. 胸部放射線療法を伴った多剤併用化学療法(完全奏効(CR:complete response)患者さんに対する全脳照射(PCI)を行うかもしれません)。
  2. 多剤併用化学療法(完全奏効例(CR:complete response)に対する全脳照射(PCI)を行うかもしれません)。特に肺機能低下あるいは全身状態不良な患者さんにおいて。
  3. 病期T期の患者さんのための、化学療法または化学療法と胸部放射線療法に引き続いた、外科手術療法(完全奏効例(完全奏効(CR:complete response)患者さんに対する全脳照射(PCI)を行うかもしれません)(17-20)

臨床評価中の治療選択肢

限局期小細胞肺癌(small cell lung cancer)に対する積極的な臨床試験評価分野には、新薬治療計画、現在の治療計画薬剤の投与量、原発巣の外科手術療法、新しい放射線療法計画および方法(例えば、3次元の治療計画)、胸部放射線療法時期があります。

トップ



進展期小細胞肺癌

注釈:この章のいくつかの引用には証拠水準がついています。PDQ (Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、読者が治療戦略の報告された結果の信憑性を判断するために、公式順位分類を使用します。(詳細については、PDQ要約の証拠水準を参照してください。)

限局期limited-stage (LD)小細胞肺癌と同様に small cell lung cancer (SCLC)と同様に、化学療法は進展期extensive-stage disease (ED)小細胞肺癌 small cell lung cancer (SCLC)が穏やかな副作用と最良の効果をもたらす化学療法はプラチナ製剤platinumとエトポシドetoposideの2剤の併用で行うべきです。現在行われている薬剤投与量と投与法では、全体奏功率response ratesは50-80%で、完全奏功率complete response ratesは0-30%です(1,2)(証拠水準1iiA)。1981-1999年に出版されている19の研究による多施設分析研究meta-analysisでは、プラチナ製剤を使用していない治療に対し、プラチナ製剤platinum-basedを使用している化学療法は有意な生存期間の延長があります(2)(証拠水準1iiA)。

シズプラチンCisplatinは重要な副作用と水の負荷が必要です。これは心血管疾患を持つ患者さんにとって問題です。カルボプラチンCarboplatinは小細胞肺癌SCLCに有効で、腎機能によって量が決められ、血液副作用が少ないです。ヘレン腫瘍グループHellenic Oncology Groupではシスプラチンcisplatinとエトポシドetoposide、カルボプラチンcarboplatinとエトポシドetoposideを第3相試験で比較しました(3)。シスプラチン群では中間生存期間が11.8ヶ月で、カルボプラチン群では12.5ヶ月でした(3)(証拠水準1iiA)。この差は統計的に有意ではありませんが、この研究は2つの治療が、限局期LDと進展期EDの患者さんの治療として同等であると証明するには証拠が足りません。シスプラチンとエトポシドは治療の王道ですが、カルボプラチンとエトポシドもシスプラチンに耐えられない患者さんにとって納得のいく治療です(4)。

エトポシドetoposideの代用にイリノテカンirinotecanを使用すると矛盾する結果がでました。日本で行われた第3相試験では、標準的2剤のシスプラチンcisplatinとエトポシドを、シスプラチンとイリノテカンの組み合わせと比べました(5)(証拠水準:1iiA)。予定登録数は70歳以下の230名でしたが、中間分析で有意にイリノテカン群が良好な結果を示したので、早期の154名で中止になりました。シスプラチンとイリノテカン群の中間生存期間は12,8か月(95%信頼区間(confidence interval [CI])、11.7-15.2か月)、一方、シスプラチンとエトポシド群では9.4ヶ月でした(95%信頼区間、8.1-10.8か月)。2年生存率は19.5%対5.2%でした。血液毒性はエトポシドとシスプラチン群でより強く、一方、胃腸毒性はイリノテカンとシスプラチンで治療した群で悪かったです。しかしながら、シスプラチンとエトポシドを、少し変えた毎周の投与方法のシズプラチンとイリノテカンと比較した進展期小細胞肺癌の331名の2度目の研究では、奏功率、中間再発期間、全体生存期間は変わりませんでした(6)。少し変更した毎週のイリノテカンとシスプラチンの化学療法は骨髄抑制は少なかったが、下痢や嘔吐は多かった(6)(証拠水準:1iiA)。もうひとつの研究(SWOG-S0124)はシスプラチンと併用したイリノテカンとエトポシドを、元の日本の研究と似た投与予定で比較しました。

784名の患者さんのくじ引き試験randomized trialでは、シスプラチンを5日間投与とトポテカン経口topotecanの併用は、エトポシドとシスプラチンと比較して優勢性を認めませんでした(7)。1年生存率は31%(95%信頼区間:27-36%)で差が-0.03であることは、1年生存率がわずか10%の絶対差という、あらかじめ決められた条件に一致しました(7)(証拠水準:1iiA)。

パクリタキセルpaclitaxel、エトポシドetoposide、シスプラチンcisplatinといった第3の薬剤を追加することにより、一貫した生存期間の利益は得られませんでした(8,9)。化学療法の適切な期間は定義されていませんが、薬の治療期間を6ヶ月以上にしても明らかな生存期間の延長は得られませんでした(3,10,11)。維持化学療法が生存期間を延長するという明らかな発表された証拠はありません(12,!4)(証拠水準:1iiA)。しかし、14の出版されたくじ引き試験andomized trialsの報告の多施設分析研究meta-analysisによると、1年と2年のオッズ比がそれぞれ0.67(それぞれ95%信頼区間:0.56-0.79、 P < .001 そして0.53?0.86, P < .001)でした。これは1年のオッズ比が9%上昇、2年が4%上昇することに相当します。

小細胞肺癌の患者さんの抗癌剤の量を増加する意義はまだ明らかではありません(16-20)。最近の研究で控えた治療では結果が悪く、早期の量の増加が生存期間を延長する可能性があります(16,17)。更に最近、小細胞肺癌に対する投与量増加化学療法を支持する、細胞集落刺激因子(colony-stimulating factor)を用いることを研究する多くの臨床研究が行われています(18-26)。これらの研究は矛盾する結果を出しました。4つの研究は、中程度の増量(25-34%)は、生活の質(quality of life (QOL))には妥協しませんが、生存期間の有意な延長と関連しました(18-21)(証拠水準:1iiA)。様々な投与期間や、一度の投与量、投与回数(23-25)を研究した、3つの内2つは、利益を示しませんでした(22,23)(証拠水準:1iiA)。

がん研究治療欧州組織はくじ引き試験の結果を報告しました(EORTC-08923) 。それは、通常量のサイクロフォスファミドとドキソルビシンとエトポシドを3週間ごと5サイクルと、125%投与量で2週間ごと4サイクルを顆粒球コロニー刺激因子(GCSF:granulocyte colony-stimulating factor)を使用して行う方法です(24)。中間投与強度は実験群で70%高く、中間総投与量は双方で近似していました。中間あるいは2年生存期間は有意差はありませんでした。イフォスミドifosfamide、シスプラチンcisplatin、エトポシドetoposide(ICE)を比較したくじ引き第3相試験では、4週間ごとに毎週2回でGCSFと自己血で支持します(25)。高投与量では比較投与強度は1.84に達したにも関わらず標準投与量医に比較して高投与量は、奏功率(各々88%対80%)、中間生存期間(それぞれ14.4対13.9ヶ月)、2年生存率(それぞれ19%対22%)に有意差はありませんでした(25)(証拠水準:1iiA)。高投与量治療を行った患者は、治療期間が短く、感染頻度が少なかった。同じ計画の第2相試験では、高投与量では有意に中間生存期間(各々29.8対17.4ヶ月、P=.02)、2年生存率(各々62%対36%、P=.05)が長かった(26)。しかし、わずか70人という小さな研究なので、この結果は注意してみなくてはいけない。

化学療法を受けている進展期extensive-stage disease (ED)の患者さんで、奏功した患者さんは予防的全脳照射prophylactic cranial irradiation (PCI)を考慮します。4から6回の化学療法治療後の286人の患者をくじ引きで予防的全脳照射prophylactic cranial irradiation (PCI)と追加治療なしに振り分けた(27)。放射線群の1年以内の脳転移の累積危険は、1年以内で14.6%%(95% CI, 8.3?20.9)、対象群では40.4%(95% CI, 32.1? 48.6)でした(27)(証拠水準:1iiD)。放射線療法は中間無病生存期間disease-free survival (DFS)は12.0から14.7週であり、中間全生存率はくじ引き後、5.4から6.7ヶ月であった。放射線群では1年生存率は27.1%(95% CI, 19.4ー35.5)、対照群では13.3%(95% CI, 8.1ー19.9)であった。放射線療法は副作用がありますが、健康に対する臨床的に有意な効果はありません(24)

進展期小細胞肺癌(small cell lung cancer)において併用化学療法および胸部放射線療法は、化学療法単独に比較して生存期間を改善するようにはみえません。しかし、放射線療法は、原発腫瘍および転移性肺癌、特に脳、硬膜外、骨転移の症状の緩和において極めて重要な役割を果たします。

胸部放射線療法は上大静脈症候群に時々行われますが、化学療法単独(効果のない患者さんのために放射線療法を温存した)は適切な初期治療です。(PDQ要約の心肺症候群を参照してください)脳転移は全脳照射療法によって適切に治療されます。しかし、小細胞肺癌からの頭蓋内転移は、他の器官への転移と同様にただちに化学療法に反応します(28,29)。

限局期患者さんと比較すると、多くの進展期小細胞癌(small cell carcinoma)患者さんは、診断時点で全身状態(performance status)は大いに損なわれています。そのような患者さんの予後は不良で、強力な化学療法または集学的治療にあまり耐えられません。単剤の静脈注射、経口、少量隔週投与化学療法はこれらの患者さんのために発展しました(22,30-36)。しかし、前向き無作為研究により、単剤または少量投与で治療された患者さんより、定型的化学療法によって治療された患者さんの方が長期生存していることが示されました。 3週間毎に行う化学療法と、症状を緩和する為に行う治療を比較研究すると、通常の治療を受けた患者さんの方が全身状態(QOL)が改善することが示されました(33)。3週間毎に行う化学療法と、症状を緩和する為に行う治療を比較研究すると、通常の治療を受けた患者さんの方が全身状態(QOL)が改善することが示されました(33)(証拠水準1iiDii)。他の治療で強力な単剤と2剤を比較しました。この研究は医学研究所(Medical Research Council)で行われ、エトポシド(etoposide)+ビンクリスチン(vincristine)と4剤を比較し、同等の効果を示しました(34)。後者は副作用と早期死亡の危険がありますが、症状の改善や精神的な落ち込みに関しては優れています(34)(1iiC)。通常の単剤のエトポシド(etoposide)内服治療と、多剤治療を比較すると全体奏効率や生存率はエトポシド(etoposide)内服治療が有意に悪いです(30,35)(証拠水準1iiA)(25-27)

小細胞患者さんの2相や3相試験を年齢でグループ解析(Subgroup analyses)すると、骨髄抑制とドキソルビシン(doxorubicin)誘導性の心臓毒性は若年者に比較し高齢者で重症であり、治療関連死亡が多くなる傾向があります(36)。しかし、高齢者の約80%は最適の治療が行なわれており、生存期間は若年者と同等です。全身状態の良い高齢者(例えば全身状態:PSが0か1、臓器機能が通常、合併症がない)には通常の化学療法が適応可能です。若年者と比較して、高齢者に奏効率、無病生存期間、全体生存率が異なるという証拠はありません(28)。

標準治療選択肢

1. 多剤化学療法。完全奏効(complete response)患者さんに対する全脳照射(PCI:prophylactic cranial irradiation)を併用するかもしれません。
  • EPまたはEC : エトポシド(etoposide)+シスプラチン(cisplatin)またはカルボプラチン(carboplatin )

以下の療法により同様な生存期間結果がでそうすが、研究のされ方が少ないか、使用頻度が少ない物を含みます。

  • CAEまたはCDE : サイクロホスファミド(cyclophosphamide) +ドキソルビシン(doxorubicin) +エトポシド(etoposide)
  • ICE : イフォスミド(ifosfamide) +シスプラチン(cisplatin)+エトポシド(etoposide)
  • シスプラチン(cisplatin) +イリノテカン(irinotecan)
  • サイクロホスファミド(Cyclophosphamide) +ドキソルビシン(doxorubicin)+エトポシド(etoposide)+ビンクリスチン(vincristine)
  • CEV : サイクロホスファミド(cyclophosphamide) +エトポシド(etoposide)+ビンクリスチン(vincristine)
2. 化学療法により急速に症状が緩和されそうにない転移部位、特に脳、硬膜外、骨転移部位に対する放射線療法

臨床評価中の治療選択肢

進展期小細胞肺癌(small cell lung cancer)での積極的な臨床評価の分野は、新薬の治療計画、高容量、別の薬の治療計画、高容量化学療法の評価を含みます。

トップ



再発小細胞肺癌

注釈:この章のいくつかの引用には証拠水準がついています。PDQ (Physican Data Query:医師情報質問)編集委員会は、読者が治療戦略の報告された結果の信憑性を判断するために、公式順位分類を使用します。(詳細については、PDQ要約の証拠水準を参照してください。)

再発時には多くの小細胞患者(small cell lung cancer (SCLC))さんは、次の治療候補者です。次の化学療法が腫瘍を縮小しても、効果は通常短く、次の治療を開始してからの中間生存期間は12ヶ月以上になることはまれで、通常は6ヶ月以内です(1)。最初の化学療法に効果があれば、次の治療に効果があることが予測されます。

他の化学療法に利く癌(ホジキンリンパ腫、卵巣上皮癌)と同様に、2種類目の化学療法を受ける患者は2つの主な範疇に分けられます、それは、感受性ありと耐性です。感受性のある患者さんは最初の治療が終了してから、90日以上効果が持続します。これらの患者さんは2種類目の化学療法で最大の利益が得られます。耐性の患者さんは、最初の化学療法が効果がないか、最初は効果があっても、最初の治療が終わってから90日以内に再発します(2)。感受性のある患者さんは最初と同じ薬でも約50%は効果がありますが、蓄積した毒性が起きます(3)。トポテカン(topotecan), イリノテカン(irinotecan), ゲムシタビン(gemcitabine)のような薬は2相試験の結果、効果は患者さんが感受性か、耐性か、再発かによって決まります(4-8)(証拠水準3iiiDii)。

化学療法に感受性のある病気患者における、シクロホスファミド(cyclophosphamide)とドキソルビシン(doxorubicin)とビンクリスチン(vincristine)(CAV)による、あるいはトポテカン(topotecan)による、第2回目の治療計画による治療のくじ引き研究(randomized comparison)では奏功率または生存率に関する有意差を認めませんでした[7][証拠水準:1iiC]。しかし、再発した小細胞肺癌(SCLC)患者において、化学療法を最良の支持療法(BSC)と比較している第3相試験は、最良の支持療法(BSC)単独と、これに経口トポテカンtopotecanを追加すると、有意に全体的な生存率を上昇させて、症状をうまく治療できることを示しました(9)。この研究は、さらなる標準的な静脈内化学療法に不適当だった、化学感受性であるか耐性な再発小細胞肺癌(SCLC)141人の患者を登録しました。トポテカン(topotecan)および最良の支持療法(BSC)を受けた患者さんは、生存期間の中央値は、25.9週で、最良の支持療法(BSC)単独は13.9週でした(P = .01) [10][証拠水準:1iiA]。

304人の患者をくじ引き割付した第3相試験(CWRU-SKF-1598)は、経口トポテカン(oral topotecan)(21日おきに5日間の2.3mg/m2/日)、または静脈投与トポテカン(intravenous topotecan)(21日おきに5日間の1.5mg/m2/日)の使用を評価しました。確立された奏功率は、それぞれ18.3%と、21.9%でした[11][証拠水準:1iiDii]。生存期間の中央値と1年の生存率の、次の到達目標も、類似していました(それぞれ33週対35週と33%対29%)。経口トポテカンを受けている患者は、静脈内トポテカンと比較して、4等級の好中球減少(47%対64.2%)は少なく、すべての等級の下痢がより多く認められました(35.9%対19.9%)。生活の質(QOL:Quality-of-life)分析(正当化されていない生活の質アンケートを使う)は、二つの治療法に有意差を示しませんでした[11]。

感受性のある病気患者は、トポテカンtopotecan、イリノテカンirinotecan、タキサンtaxanes、ビノレルビンvinorelbine、パクリタキセルpaclitaxelまたはゲムシタビンgemcitabineを含む多くの薬剤で奏功するかも知れません[4-8,11-13][証拠水準:3iiiDii]、単剤による治療より多剤併用療法のほうが通常奏功率は高いです[14,15]。しかし、多くの研究では、感受性や耐性や再発について述べていません。

癌による内側からの気管支内閉塞病変または外側からの圧迫を持つ何人かの患者さんは、気管支内レーザー療法(気管支内病変のみ)および/または気管支腔内照射によって症状の緩和を達成できます(16)。自動的に拡張する金属ステント(筒)(expandable metal stent)は気管鏡的に局部麻酔下に安全に挿入できて、癌による気道閉塞を持つ患者さんの症状や肺機能の改善をします(17)。初期の化学療法がうまくいかない後で、胸腔内で癌が進行している患者さんは、外照射放射線療法によって、有意な癌に対する効果、症状の緩和、および短期の局所制御を達成できます。しかし、まれな患者さんでは救助的(salvage)放射線療法の後で長期生存を経験します(18)。

中枢神経系再発を持つ患者さんは、しばしば放射線療法および/または追加化学療法によって症状の緩和を得ることができます。放射線療法によって治療された患者さんの多くは、放射線療法に引き続き客観的な効果と改善が見られます(19)。さかのぼり検討(retrospective review)では、中枢神経系再発時に追加化学療法で治療された患者さんの43%が、2番目の化学療法に反応しています(20)。

標準治療選択肢

  1. トポテカン(topotecan)
  2. 他の化学療法
  3. 姑息的放射線療法
  4. 気管支内レーザー療法、気管支内ステントおよび/または気管支腔内照射による局所症状の緩和
  5. 第I相あるいは第II相の臨床研究。

トップ



薬剤名) 一般名:略語(商品名:略語)

シクロフォスファミド:CPA(エンドキサン)
イホスファミド:IFM(イホマイド)

ゲムシタビン:GEM(ジェムザール)
テガフール・ウラシル配合剤(ユーエフティ:UFT)

ビンクリスチン:VCR(オンコビン)
ビンブラスチン:VLB、VBL(エクザール)
ビンデシン:VDS( フィルデシン)
ビノレルビン:VNR(ナベルビン)
パクリタキセル:PTX (タキソール:TAX、TXO)
ドセタキセル:DTX(タキソテール:TXT)

エトポシド:VP-16、ETP(ラステット、ベプシド)
イリノテカンCPT-11(カンプト、トポテシン)
トポテカン
アムルビシン:AMR

ドキソルビシン、アドリアマイシン:ADR、ADM 、DXR、DOX(アドリアシン)
マイトマイシン:MMC(マイトマイシン)
エピルビシン:EPI(ファルモルビシン)

シスプラチン:CDDP(ランダ、ブリプラチン)
カルボプラチン:CBDCA(パラプラチン)

トップ


重要:この情報は、主として医師、および他の医療従事者のためのものです。あなたがこの話題に関して質問をお持ちの場合、あなたの主治医に尋ねてください。

2009年2月最新版(2009年5月更新) 翻訳:秋葉 直志)