胸腺腫の治療

胸腺腫 患者さん用

きょうせんしゅ


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説明
   胸腺腫とは?
病期の解説
   胸腺腫の病期
治療選択の概観
   胸腺腫をどのように治療するか
   病期による治療
非浸潤型胸腺腫
浸潤型胸腺腫
再発胸腺腫

説明

胸腺腫とは?

胸腺腫(きょうせんしゅ)はがん(悪性)細胞が胸腺組織に見つかる病気です.胸腺は胸骨(きょうこつ)の裏にある小さな臓器です.胸腺はリンパ球という白血球を作り、これは体中を回り感染と戦います.胸腺腫の患者さんはしばしば免疫系のほかの病気を持っています.胸腺腫の患者さんで最も多い病気は筋肉が弱くなる病気で、重症筋無力症と呼ばれています.

医師は患者さんが消えない咳(せき)、筋力が弱くなる、あるいは胸部の痛みがあるかどうかを見なくてはなりません.もし症状があれば、医師は胸部のレントゲンを撮るでしょう.医師はCTスキャンという体の1部を画像にするコンピューターを使った特殊なレントゲンも撮るでしょう、回復の見込み(予後)や治療選択は、がんの病期(びょうき:がんが胸腺内にあるかあるいはほかの部位に広がっているか)、がんの細胞の型、そして患者さんの全身の健康状態により決まります.

病期の解説

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胸腺腫の病期

ひとたび胸腺腫が見つかれば、がん細胞がほかの部分に広がっているかどうかを調べる追加の検査が行なわれます.これは病期決定と呼ばれています.医師は治療計画を立てるために病期を知らなくてはなりません.胸腺腫に対しては以下の病期が用いられるでしょう

  • T期: がんが胸腺とその袋の中にだけ見つかる.
  • U期: がんが周囲の脂肪あるいは胸腔(きょうくう)の内面に浸潤している.
  • V期: がんが胸腺周囲の臓器に浸潤している.
  • Wa期: がんが肺や心臓周囲の袋に入ってさらに広範囲にある.
  • Wb期: がんが血液やリンパ液を運ぶ管を介してさらに広範囲にある.

T期の胸腺腫は非浸潤性胸腺腫と呼んでも良いでしょう.UからW期の胸腺腫は浸潤性胸腺腫と呼んでも良いでしょう.

  再発: 再発とはがんが治療後に出てくることです.胸腺または体のほかの部位に出てくるでしょう.

治療選択の概観

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胸腺腫をどのように治療するか

すべての胸腺腫の患者さんに治療があります.3種類の治療が用いられています。

  • 外科療法(手術でがんを取り出します).
  • 放射線療法(がん細胞を殺すために高照射量のレントゲン線あるいはほかの高エネルギー放射線を用います).
  • ホルモン療法(がん細胞が増殖するのを止めるホルモンを用います).化学療法(がん細胞を殺すための薬を用います)は臨床研究として研究されています.

腫瘍を取り除く外科療法は胸腺腫の最も一般的な治療です.医師はリンパ節あるいはがん周囲の組織も取り出すでしょう.放射線療法はがん細胞を殺し腫瘍を縮小させるためにレントゲン線あるいはほかの高エネルギー放射線を用います.胸腺腫に対する放射線は通常体外の機械から出ます(体外照射).放射線療法は単独あるいは外科療法に加えて行なうことができます.手術の時点で医師が見える全てのがんを取り除いても、患者さんは残っている全てのがん細胞を殺すために外科療法のあとに放射線療法を用いられるかもしれません.がん細胞が残っていない手術の後に放射線療法を行なうことを追加放射線療法と呼びます.ホルモン療法はがん細胞が増殖するのを止めるホルモンを用います.ステロイドと呼ばれるホルモンが腫瘍の増殖を止めるために投与されるでしょう.化学療法はがん細胞を殺すために薬を用います.化学療法では飲み薬を用いるか、あるいは薬を静脈か筋肉の針から投与します.化学療法は全身療法と呼ばれています.なぜなら薬は血流に入り、体中を移動して、胸腺の外にあるがん細胞を殺すことができるからです.

病期による治療

胸腺腫の治療は病期,そして患者さんの年齢と全身状態で決まります.

非浸潤性胸腺腫 

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治療は次のひとつでしょう.

  1. がんを取り除く外科療法.
  2. まれに放射線療法.

浸潤性胸腺腫

治療は次のひとつでしょう.

  1. がんを取り除く外科療法に引き続き行なう追加放射線療法.
  2. がんが外科療法で取り除けないなら、放射線療法だけ行なう.
  3. 化学療法の臨床研究.
  4. 外科療法に引き続き行なう化学療法の臨床研究.
  5. がんが外科療法で取り除けないなら、化学療法と放射線療法の両方の臨床研究.

再発胸腺腫

治療は次のひとつでしょう.

  1. がんを取り除く外科療法で,放射線療法を併用するかしない.
  2. 放射線療法.
  3. ステロイドのホルモン療法.
  4. 化学療法の臨床研究.

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(2000.2改定版 翻訳:秋葉 直志)