慈恵医大
柏病院 呼吸器外科

進歩した完全胸腔鏡下肺癌手術

副院長、外科部長
秋葉直志


慈恵医大柏病院外科は、23人のスタッフ、数名の初期臨床研修医で診療を行っています。消化器外科、呼吸器外科、乳腺・内分泌外科、血管外科、小児外科、救命救急センターの各診療グループに専門の医師が配属されています。専門的で高度な知識・技術を有するスタッフが揃った、均衡のとれた診療診療部です。

慈恵医大柏病院の呼吸器外科では肺癌だけでなく、自然気胸や縦隔腫瘍の手術など多くの胸部疾患を担当しています。手術の多くは低侵襲な胸腔鏡下手術で行っており、肺癌の手術に関しても開胸を一切行わない完全胸腔鏡下手術で行います。

肺癌の状態の術前評価としては、胸部CTから富士フィルムのsynapse vincentを用いて肺動静脈・気管支の3D立体画像を参考にしています。時には株式会社ファソテックと共同して3D立体モデルを作成して手術の参考にしています。

患者さんは、手術前から外来で呼吸訓練を開始し、術後に呼吸がスムースに行えるようにしています。通常の術後経過では、手術翌朝には食事を開始し、2日目には自由に散歩できるようになり、一週間程で退院可能となります。

完全胸腔鏡下手術のような低侵襲な手術は、標準的な開胸手術に比較して、手術後の痛みが少なく、合併症も少なくてすみます。手術患者さんの免疫を落とさないので、癌の予後にも良い影響がある可能性があると考え、積極的に取り入れています。

ご存知の方も多いと思いますが、胸腔鏡下手術と完全胸腔鏡下肺癌手術について補足します。

《胸腔鏡下手術、鏡視下手術》

胸腔鏡下手術は約2cmの皮膚切開を複数作成し、そこから硬性鏡と鉗子を挿入してビデオモニターを見ながら行う手術です。開胸手術では肋骨を開胸器で強制的に開くので術後に強い疼痛が起こりますが、胸腔鏡下手術では開胸器を使用しないので、低侵襲であり、疼痛が少なく、早期退院が可能な手術です。

《完全胸腔鏡下肺癌手術、完全鏡視下肺癌手術》

肺癌の標準手術は肺葉切除とリンパ節郭清です。肺葉を摘出する複雑な手術ですが、技術の進歩と機械の進歩により、小開胸を行わない完全胸腔鏡下肺癌手術を行います。

これからも安全で確実な手術を心がけ、微力ですが地域に貢献していきたいと思います。


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